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自民党の9月総裁選は無派閥保守の高市総裁誕生が期待できる

2024年1月8日

社会資本研究所

南 洋史郎

自民党の9月総裁選に立候補の噂がある無派閥の有力候補は誰だろう

永田町の動きをウォッチする政治評論家によりネット上でささやかれる話の一つとして、岸田首相の支持率回復は難しく、 政治とカネの問題から派閥政治に対する国民の不快な感情を考慮すると今年9月まで、早ければ国会が終わる6月に岸田政権が退陣して、 自民党の総裁選がおこなわれ、無派閥の政治グループの中から新しい総裁候補が立候補する可能性が高いとのことであった。 自民党の中で無派閥議員は、衆議院議員57名、参議院議員18名の計75名であり、首相と衆院、参院の議長や大臣で派閥から抜けた議員を除くと70名となる。

その中で注目される無派閥の議員の中で総裁選の立候補が噂される候補として、 衆院では菅義偉(すがよしひで)元首相、高市早苗大臣、石破茂議員、小泉進次郎議員、 参院は青山繁晴議員の5名の名前が挙がっている。  ただ、菅元首相は体調を理由に立候補を固辞すると予想されており、小泉議員も過去の経緯から立候補を断念するとみられている。  昨年の11月の産経の世論調査では、次の首相候補のトップに石破議員の名前が挙がっている。  その後もフジ系列のテレビ番組に出演、存在感をアピールされているが、自民党内の議員評価は低く、 果たして総裁選で必要な20名の推薦人議員を集められるかは疑問視されている。  結局、自民党の中でも保守岩盤層を呼び戻すことができ、国民人気が高く、 大量票を磁石のようにひきつけるパワー、集票マグネット力が強いと言われる二大巨頭の高市大臣と青山議員の2人に絞られるのではないかとみられている。

自民党の9月総裁選に立候補の噂がある派閥の有力候補は誰だろう

派閥への逆風があっても派閥から総裁選へ立候補する議員も注目されている。  最大派閥の清和会(衆院59名、参院40名の計99名)は今回の特捜捜査で全滅となり、 二階派の志帥会(衆院30名、参院9名の計39名)も注目される議員はいたが出番はなくなった。  二階派や無派閥の菅グループに近いと言われる最小派閥の森山派の近未来政治研究会(衆院7名、参院1名の計8名)にも注目される議員はいない。  自民党内の主流派を形成する岸田派の宏池会(衆院33名、参院13名の計46名)や麻生派の志公会(衆院41名、参院15名の計56名)、 茂木派の平成研究会(衆院32名、参院21名の計53名)の3派閥から有力な総裁候補の名前が挙がっている。

3派閥のリーダー的存在で長老格の麻生元首相の影響を受け、上川陽子外務大臣の名前が急浮上、 その他に林芳正(よしまさ)官房長官、河野太郎大臣、茂木敏充(としみつ)幹事長の名前が挙がっている。  かつては保守主流といわれた3派閥も、保守系の有権者からみるとあまりに親中でグローバリズム政策に傾倒しすぎており、 外国移民促進などリベラルな政策が多すぎると不評である。 政治の動きに敏感な国民目線から、清和会の一部、二階派、主流3派閥に対しては、 親中でリベラルな印象が強く、「自民党はもはや保守ではなくリベラル」というイメージが定着している。 SNSの影響もあり、国民が急速に保守化する中、 親中でリベラル色の強い派閥4候補で、無派閥保守の高市大臣と唯一互角に対抗できる可能性のある女性候補として上川大臣が注目されている。

林官房長官と河野大臣は、ネットやSNSにおける政治評論家の評判が良くないが、総裁選はあくまで党員投票なので可能性は残っている。  ただ、今の自民党の危機的状況から察すると総裁選の立候補は難しいとみられている。  ネット上の一部の政治評論家から、派閥からの総裁選の有力候補として、 上川大臣と茂木幹事長の二人に絞られるという見方もでているが果たしてその通りになるであろうか。

自民党総裁選の候補名から無派閥保守と派閥リベラルの対立が焦点になるだろう

これから政局が大きく変化し、見かけによらず、意外と狸(たぬき)という評判の岸田首相が、 国民の支持率なんか気にせず、突然、覚醒して次々と政敵を抑え込み、9月に派閥議員だけで総裁選をおこない再任される可能性も残っている。  もちろん、そうなれば衆議院選挙は10月であろうと、来年7月前後に延長しても、自民党は大敗し与党から脱落するであろう。  ただ、突然、選挙前に「憲法改正」と「消費税5%への減税」を主張、周囲をあっと驚かせ、選挙を戦うかも知れないが、 国民の信頼はすでに失っているので、結局、総選挙での与党脱落の可能性は高いとみている。

現段階では、国会終了後の6月に岸田首相が退陣する見方は強まっており、 ポスト岸田の有力候補として、無派閥・保守の高市、青山に対して、派閥・リベラルの上川、茂木の4人に絞られるのではないかと予想している。  無派閥・保守からさらに候補が絞り込まれる場合、女性初で衆議院議員というフィルターの議員評価が強くなれば、 高市大臣が無派閥で保守の有力な総裁候補に一本化される可能性が考えられる。  青山議員は、参議院議員であっても、慣例を打ち破って総裁になれば、党内を刷新(さっしん)するパワフルなエネルギーの持ち主であり、 政策に精通して選挙に強いという評価もある。 ただ、主張が強く、ついていけない議員の中に反発もでて、自民党の組織をまとめられるかが不安視されている。

一方、派閥・リベラルの上川大臣と茂木幹事長は、二人とも東京大学を卒業、ハーバード大学ケネディ・スクールの大学院を修了、 上川大臣はシンクタンクの三菱総研、茂木幹事長はマッキンゼー出身という華麗なキャリアを誇っている。  ただ、泥臭い世俗から隔絶した特権階級の世界で生きてこられた方々なので、庶民とかけ離れ、浮世離れされているのではと思われやすい。  恐らく二人とも大阪のジャンジャン横丁は知らないだろうし、事業失敗の挫折感も味わったことはないので、人望があるようには思えない。  一般国民の知名度もほとんどないので、どちらかが総裁になって衆議院選挙を戦ったとしても、岸田首相時代のマイナスの党イメージを払拭(ふっしょく)できず、 選挙で大敗する可能性も否定できない。

総裁選前に高市勉強会を核として派閥から無派閥を選択する保守系議員が増える

現在、自由民主党の国会議員は、衆議院議員261名、参議院議員118名の計379名であり、過半数は190名となる。  主流3派閥を合わせると155票もあるが、今回の岸田首相の清和会と志帥会の派閥を狙い撃ちにした特捜捜査に対して、 清和会の99名と志帥会39名の138票がどう動くかにも注目が集まっている。  永田町の世界では、早々と総裁の有力候補に名前があがると嫉妬(しっと)心から様々な横やりや足の引っ張り合いがあると言われてきた。  今まではそれを金の力で党内不満を抑えてきたが、政治資金規正法の違反事件以降、そうした派閥内のカネの論理で議員を拘束することが難しいため、 清和会を中心に脱派閥の動きが顕著となり、保守系の議員を中心に無派閥の議員が増えるとみられている。 これはあくまで勝手な憶測であるが、清和会から50名前後の保守系議員が無派閥となって高市大臣の勉強会に集結するのではないかとみている。  主流の3派閥からも無派閥を選択する保守派議員が30名前後、その他からも数十名の保守系議員が集まり、 総勢百名程度の無派閥の保守系の議員グループが形成されるのではないかと予想している。  彼らは、カネの力でつながってきた派閥でなく、保守的な政策で集まる政治グループであり、国民第一の積極財政や国益第一の憲法改正、 自衛隊の防衛力強化のための政策を考える保守政治を指向する集団となるであろう。

高市新総裁への期待感から党内リベラル勢力が保守勢力へ歩み寄る可能性が高い

憶測になるが、2月から5月にかけて清和会から無派閥を選択する議員が増え、 その他の派閥からも無派閥を選択する動きが顕著になるとみている。 一番の焦点は高市大臣の大臣辞任の時期であり、 今国会でセキュリティ・クリアランスの法案が通らないことが見えてくると首相へ辞表を提出する可能性もあるのではないだろうか。  高市大臣に対しては、過去、奈良県知事選などで同じ自民党内で陰湿な妨害工作があったと言われ、 これから高市大臣に対するマスコミのネガキャンも激しくなるとみられている。 自民党内にアンチ高市の勢力は存在しており、彼らがどこまで反対勢力であり続けるかにも注目している。

一方、国民は今まで自民党にさんざん騙(だま)されてきた苦い思いも強い。 仮に高市さんが総裁に選ばれても、 足を引っ張るリベラルの自民党議員がたくさん残っており、 もう二度と自民党に投票したくないと固く決心した保守岩盤支持層も相当数いるのではないかという見方をしている。  その受け皿が、日本保守党になるかも知れないが、現職の自民党の議員が移籍する可能性は低いとみている。  むしろ、岸田政権のもとで、自民党内の高市排斥の動きが顕著となり、目に余る嫌がらせがひどくなる場合、ある日、 百名近い現役の自民党の保守系議員が、新たに保守政党を立ち上げる形で、リベラルの自民党と決別し保守政党を創設する可能性も否定できない。  その時点でリベラルな自民党に残った議員は狼狽(うろた)えるかも知れないが、選挙でも負け続け、数年以内に消滅していくのであろう。

4月の島根一区の補欠選挙で自民党が惨敗した場合、自民党内のアンチ高市勢力が、自分たちが泥船どころか、 すでに船が沈み溺(おぼ)れていることにやっと気づいて、リベラル路線が間違いであったことを自覚できるようになるとみている。  それ以降、態度が豹変(ひょうへん)、急に親中、リベラルの派閥議員が、自分たちの主張を保守的なものへ変えていき、 自民党内の立ち位置を保守系の政策へ転換することに躍起になると予想している。

戦後、自民党は、国民の意識、世論の変化に敏感で、察知するや否や節操もなく自分たちの今までの主張を平気で変えて生き残ってきた。  まさにカメレオン政党と揶揄される特徴をもっており、 自分たちが生き残れないと悟ると無派閥で保守の高市大臣へすり寄り、 自民党の総裁選で高市新総裁を選出、古い政治体制を新しい体制へ変えていくと予想している。  今までのカネのつながりの派閥政治から、大企業や医師会などの利権組織と縁を切って、 真に国民のための政治を議論する政策集団へ大転換を図(はか)るのであろう。

自民党は、新総裁のもとで、国民の信頼を取り戻すための積極財政への政策転換により、 GDP拡大へ舵取りをしないといつまでも国民所得が増えないことを十分に理解している。  もし、新総裁になっても、いつまでも増税や減税を云々しているようでは、国民から完全に愛想を尽かされるとみている。  GDP拡大を政策の最優先課題にするためには、自民党内の税制調査会を解散、 経済成長促進会を新たに創設するぐらいの意気込みが無いと自民党が変わったことにはならないであろう。

2千兆円以上も国民の金融資産が余剰にありながら、それらの資金を日本の金融機関を通じ、 日本のために株式投資や事業投資にもっていけないのは政権与党の政治家や財務省、経産省、 国土交通省などの関係省庁の怠慢ではないかと国民は感じ始めている。  国家主導の公共投資や民間主導の事業投資を促進する投資企画をつくってそれを推進するのが、 GDPの拡大と国民所得の増加を目指す政権与党の大事な役目なのであろう。  かといって、不良債権だけを増やす無謀な投資は避けないといけないので、新しい技術や製品の開発を促すための小額投資を数多くおこない、 試行錯誤の中で市場性が見えてから大規模な投資へ切り替える工夫も必要になってくる。  新総裁のもとでは、こうした公共投資や事業投資こそが最優先課題と自民党内で認識を共有する必要がでてこよう。

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