2024年8月27日
社会資本研究所
南 洋史郎
維新の自治行政へ懸念が高まり大阪が国際金融都市になれるか心配の声がでている
大阪は府知事、市長、様々な自治行政の長を維新が独占し始めてから心配なことが起こり続けている。
万博が無事にうまく開催できるかどうかといった懸念からIRカジノ誘致をどうする のかという問題、
さらに埋め立て地の地盤沈下防止に対する懸念の声もでてきている。 また、 同じ維新の兵庫県知事のパワハラ疑惑は、深刻な問題であり、連日、マスコミで取り上げられ、
維新の政治は大丈夫かという疑惑も大きくなっている。 その影響が大きいからか大阪の富裕層 が住む箕面市の市長選で、
ついに維新の現職市長が敗れるという大波乱も起こった。 また、 昨年1月に大阪を国際金融都市にすると吉村知事が宣言し、外資系の金融会社30社の誘致計画
も公表されたが、それについてもうまくいくのかという懸念の声も出始めている。
既に米投資ファンドがグランフロントに拠点をもうけ、小売や健康・医療関連の企業へ投資を はじめている。 外資系金融会社による長期投資だけなら良いが、
同時に短期の商品取引などの 投機市場の売買取引も活発になるので、それが違法なものとならないように監視と警戒が必要と なっている。
現在の商品取引の世界市場は、上海、大連、鄭州(ていしゅう)の中国3都市が 上位を独占、ニューヨークは5位、シカゴは7位、東京と大阪の日本は16位となっている。
特に大阪は農作物の商品取引で江戸時代からの由緒ある歴史をもつが、大阪取引所が日本取引所 グループに取り込まれ、エネルギー(石油など)取引は東京メインだが、
大阪は大阪取引所と堂 島取引所の2か所で農作物(大豆、小豆、とうもろこし)と貴金属(金、銀など)を扱っている。
コメ先物取引が始まりコメ騒動が起こる因果関係を調べる流通在庫の調査が不可欠
堂島商品取引所は、SBIホールディングスや外資系企業などから出資を受けて会員組織から 株式会社に移行、今年8月13日から念願のコメの米穀指数の先物取引を始めた。
これは日本 全国の百種類以上の主食用米の平均米価の先物取引であり、仲介取引はSBI証券など4社がお こない、歴史と信頼のある企業ばかりなので取引そのものは安心でき、
今後の大阪における健全 なコメ先物取引市場の発展を祈るばかりである。 ただ、折角、長年苦労してやっとコメ先物市 場を立ち上げた矢先の8月下旬から、
今度は令和の米騒動といわれる東京や大阪など人口密集地 の都市部の食品スーパーなどで店頭のお米が消えるという不可解な社会現象が起こっている。
コメの価格が急激に値上がり、それが先物市場へ影響を与え、コメが買えなくなった原因を専
門家が解説しているが、不思議なのは政府の備蓄米を取り崩さなくても、流通経路に十分なコメ
在庫があり、流通経路のどこかに大量の米が倉庫に隠されているという疑惑がでているのである。
仮にそれが事実で意図的、作為的にどこかでコメの流通を止め、大量在庫を隠し持っていたとす
るとこれは大問題である。 万一にも隠し持っていた当事者が、コメの先物取引市場と何らかの
関係があった場合、これは金融商品取引法に抵触する恐れがあり、刑事事件に発展する懸念もで
てくる。 コメ先物の商品取引そのものは金融取引なので金融庁の管轄であり、金融商品取引法
の規制を受ける。 商品取引は、その流通の農作物は農水省、エネルギーや貴金属は経産省、先
物取引は経産省の管轄となっている。 金融商品取引法では、157条から159条において、
相場で根拠のない噂を広める風説の流布や相場変動をねらって虚偽情報で投資家をだます偽計、
機関投資家による相場操縦、内部事情を知るものによるインサイダー取引の不公正取引、さらに
それらに絡んでの脅迫などの不正行為を禁止している。
一方、コメの先物取引には、過去、長い間、農協の全国団体であるJAグループが反対してき
た経緯がある。 反対理由は、主食であるコメを投機的なマネーゲームの先物取引で扱うことは、
コメの需給と価格安定を図ることに矛盾するというものであった。 堂島商品取引所もそうした
厳しい意見に真摯に耳を傾け、時間をかけて地道に先物取引市場が農家や農協のためになるとい
う説得を続けてきたのである。 まさか今回の令和の米騒動にJAグループが絡んでいるとは思
わないが、むしろ世間から誤った疑念をもたれないためにも、JAグループ自らが全農物流の倉
庫など全国の農協全てのコメの流通在庫の状況を情報開示すべきではないだろうか。 さらに農
水省主導で直近のコメ取引で大量購入、大量備蓄の怪しげな商取引をおこなった業者がいなかっ
たかどうかの調査も早急に始める必要もでてきている。

