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8月8日は自民党の分裂消滅か再生復活の運命の日となる

2025年8月6日

社会資本研究所

南 洋史郎

8月8日の両院総会で石破首相リコールと総裁選が決まらないと自民党は消滅する

7月20日の参院選で与党自公の過半数割れの惨敗となった石破首相が続投を宣言して以降、28日の懇談会で自民党内の7割を超える多数の議員から首相への退陣要求があり、8月5日の臨時国会の閉幕後の8月8日に自民党の両院総会が開催され、 新しい総裁を選ぶための総裁選が決まる見通しである。 これでやっと退任を拒み続けた石破首相へのリコールが成立、新総裁の選出手続きが始まり、森山幹事長など自民党執行部も辞任せざるを得なくなる。  昨年10月の衆院選の惨敗、今年6月の都議選の惨敗、7月の参院選の惨敗と三度の大敗でも辞任せず、石破首相ご自身が、過去に安倍首相や麻生首相に対し選挙に惨敗したら即退任すべきと主張、その言行不一致の矛盾に呆(あき)れるが、本人なりの計算があるのだろう。  普通の人には皆目理解できない宇宙人的な粘り腰で踏ん張ってきた石破首相、それを支えた世話人の森山幹事長の存在は、憲政史上初のことであり、政治史の珍事として後世にまで語り継がれるのであろう。

睨(にら)みの利いた独特の表情やおにぎりを食べる様子などビジュアル的に印象に残る稀有な首相だが、SNSには石破首相を皮肉(ひにく)る多くの動画が氾濫している。  どれもアクセス数が高く人気で庶民が動画を見ることで怒りを笑いへ変えているのであろう。 石破首相の継続を主張する一部の左派の活動家や野党もいるようだが、庶民感覚からすると主義主張を超えて、 落選した多くの仲間の議員の苦悩を慮(おもんばか)るとトップが責任をとり退任するのは当たり前だが、醜く居座る姿が不可解で理解できないのである。  8月4日の衆院予算委員会でれいわの大石共同代表より「いつ辞めるのか」と詰め寄られ、5日の参院予算委員会で参政党の神谷代表より「関税交渉はトランプ大統領から一方的に押し付けられ交渉になっていない」と責められても、 怒らず平然と受け答えする姿に恐ろしいほどの首相の神経の図太(ずぶと)さが垣間見える。

安倍首相時代の自民党は保守有権者と同じ意識や常識があり、それゆえ安心して政権を見守ることができた。 リベラルな岸田首相や石破首相となってLGBTや中国弱腰外交、緊縮財政といった保守が嫌う政策を次々と推進、 保守にとって理解不能な首相を輩出した自民党の体質そのものに生理的な嫌悪感を強めたのである。 これから衆院の解散総選挙が予想されるが、どんなに優れた議員でもリベラルへ変質した自民党と聞けば恐ろしくて投票できないので、 これからも選挙のたびに大量の保守票を失い続け、自民党は消滅の道を歩み続けるのであろう。 7月の参院選では推計だが、すでに千数百万票以上の保守有権者の票が参政党や国民民主党、日本保守党へ流れたとみている。  昨年10月の衆院惨敗後の11月に石破首相に退任を迫る両院総会を開かず、在留を認めた時点で自民党の崩壊は始まったが、昨年9月の総裁選で高市総裁の選出を阻止した後から保守有権者の本格的な自民党離れが始まったと分析している。

8月8日以降のフルスペックの自民党の総裁選は9月の衆院解散総選挙前の前哨戦

自民党が再生の道を歩む第一歩は、岸田首相と石破首相の4年間で逃げた一千万票を超える保守有権者の票をいかに呼び戻すかということである。  そのためには昨年9月の総裁選前の状態に時間を逆戻りさせ、人気の高市総裁を総裁選で選出する以外に方法はない。  それでも、すでに3割から4割は参政党など新興の保守勢力に魅了されて、すでに逃げて消えた数百万票は二度と自民党に戻らないという見方が有力である。  それでも昨年9月の積極財政と経済安全保障の強化で盛り上がった新生の保守自民党に期待する国民は多いのではないかとみている。  その復活の鍵は、8月8日以降の総裁選にかかっており、9月中旬以降の解散総選挙を念頭において、オールドメディアといってもまだ厳然たる影響力を保つテレビメディアに取り上げてもらうため9月初旬までフルスペックの総裁選で高市総裁の露出度を高め、 他の野党はずるいと感じると思うが、8月8日以降に衆院総選挙も念頭に置いた総裁選を始めるべきであろう。

高市対抗馬も、米騒動でJAや農家に不人気の小泉議員や税調インナーで隠れ緊縮の噂のある小林議員というマイナス評価の強い若手を避け、次の内閣の組閣をイメージしやすい、 トランプ関税交渉を想定した外交交渉のプロの茂木議員や幅広い保守層に人気の青山繁晴議員といった大物議員の出馬の可能性が高い。  その中に石破退陣要求で一躍有名になった保守系新人の中曽根康隆議員というサラブレッドも混ぜれば、政治評論家から出来レース、プロレスと揶揄されると思うが、今までの自民党のイメージをリベラルから保守へ180度ガラッと変えるのに役立つのであろう。  高市総裁候補の戦いが始まれば、親中路線の公明党から連立解消の打診が始まると推察されるが、これも自民党のリベラル親中の負のイメージを断ち切る絶好のチャンスとなるのであろう。  8月8日の両院総会を縁起の良い友引(ともびき)の八のゾロ目にできるか、あるいは逆にどんなに保守有権者から嫌われてもリベラル自民党の路線を堅持できる日にするかは全て両院総会に参加する自民党議員の評決にかかっている。

万一8月8日に総裁リコールが成立せず石破続投が決まれば自民党は大分裂する

確率的には起こらないと思うが、万一にも8月8日に総裁リコールが成立せず、石破続投が決まれば、その時点で自民党は二つに大分裂すると予測している。  分裂すれば、高市議員を筆頭に元清和会の保守重鎮が加わり、総勢百名を超える議員がリベラルな自由民主党を離れ、強くて豊かな日本を目指す保守民主党(仮称、略称は自民党に対抗して保民党)を結党、 9月の国会開幕時に石破政権へ不信任案を提出、衆院の出席議員の過半数で可決されると衆院解散総選挙が実施されるとみている。  おそらく、オールド政党の自民、公明、立憲、維新、共産はどこも大惨敗となり、ニュー政党の保民が2百議席近くを確保、国民、参政が数十議席以上を獲得、保守(日本保守)やれいわも10議席前後はとるのであろう。  そうなると日本の政治は、保民、国民、参政の保守3大政党の連立により過半数以上となり、減税・積極財政の新しい安定政権が樹立される公算が高まる。  もしかすると高市首相のもとで青山繁晴官房長官、神谷外務大臣、玉木財務大臣が活躍する時代もやってくるのかも知れない。  おそらく自民党は数十議席も確保できず、永田町の自民党本部ビルを保守民主党へ明け渡す日も来るのであろう。

自民惨敗は政務調査会による緊縮と米中利権の理不尽な政策に国民が激怒したため

自民党の結党以来、70年間も日本の政治に君臨し続けた自民党がなぜ衆院も参院も選挙で惨敗し少数与党に成り下がったのか、政治の専門家はその原因をいろいろあげている。  自民党の特定の政治家が絶大なる権限を保持、二代目、三代目と継承する中で政治が家業化して国民生活の苦労を知らず、そもそも国民のためになる政治が何かがわからず、謙虚に勉強する姿勢もなく、 金や利権に卑(いや)しい無知・無能・無気力な政治家が増えたからと厳しく断罪する意見が多い。 確かに岸田首相や石破首相も有力政治家のご子息であり、過去のスキャンダルをみるとお世辞にも優秀とは言い難い。  特にネットでは歴代最悪、最低、最狂の三冠称号の石破首相への非難は痛烈である。 なにしろ、昨年10月の衆院選の惨敗後も退陣せず、その後も選挙で負け続けても居座り続ける人知を超える無敵の石破首相に畏怖の念すら覚えるのである。  最初は精神的な特殊なものをお持ちで合理的配慮が必要な方かなと勘違いしたが、国会答弁で丁寧な言い方だが、結局何を言いたいのかわからず、相手を煙に巻く答弁はさすが首相にまで昇り詰める人は頭が良く、常人にない特殊な能力が備わっていると感じるのである。  ただ、石破首相が政権に居座り続けると自民党自体が妖怪に憑依されたように溶解して保守とリベラルが分裂し溶けてしまうので、鬼太郎役の麻生太郎最高顧問が溶解退治をせざるを得ないのであろう。

当研究所で過去70年間の自民党政治を分析したが、高度成長が過ぎ世界二位の経済大国まで上り詰めた1985年までの30年間においては、優秀な政策を生み出した政務調査会の機能が自民党の強みではなかったかとみている。  政務調査会の前身は、1960年から財務官僚出身で総裁となった池田勇人首相の時代に設置された党組織調査会であり、同じ財務官僚出身の下村治博士と一緒に所得倍増計画を立案、優れた公共投資政策を遂行している。  その成功体験から1985年以降も政務調査会で議員と総裁任命の学識経験者が一緒に様々な政策を研究し、部会で法案を審議し関係する様々な省庁官僚を巻き込み、与党議員を通じて国会で法制化してきた。  ところが1985年のプラザ合意以降、米国の顔色をみながら経済政策を進める首相や一部幹部のかたよった無益な経済政策が目立ち、政務調査会や部会が形骸化していった。 不動産バブルが発生、 その崩壊後の不良債権処理も遅々として進まず、経済が悪化する中で財務省主導の部分最適の財政均衡を重視する緊縮財政が主流となり、投資抑制による減衰縮小効果で国内経済は失われた30年を経験している。

現在、16の部会と32の政務調査会があり、その中でも増税を主導してきた税務調査会は最強のままであり、政務調査会と部会の活動は現在も続いているが、本来の国民のための法案を審議しているとは言い難い状況が続いている。  部会は民主的な多数決ルールが原則だがLGBT法案あたりから多数決でNOでも一部幹部が暗躍し強引に国会で法案を審議し通過させるようになった。  同様に積極財政で公共投資へ予算をつけようとしても、財務官僚が暗躍していつの間にか投資案が無視された状態となっている。  一方、親中利権の影響からか、二酸化炭素対策で太陽光発電に対する補助金が投入され、環境破壊につながる中国製太陽光パネルが急増、再エネ賦課金も上がり、電力料金が大きく引き上がる結果をまねいている。  中国人による国内の土地購入も野放しのままであり、規制をかける動きは見られない。 自民党の強みであった国民のための政務調査会の仕組みが、いつの間にか一部の幹部議員による偏(かたよ)った中国利権や米国利権に配慮した政務調査会に変貌(へんぼう)しており、 国民のための政策が無視され続けたことに対し、国民が激怒しそれが選挙におけるアンチ自民党の動きにつながったとみている。  逆に言えば、自民党の政務調査会の草創期の原点に戻って国民のための政策を研究、議論し、法案にまで落とし込み、多数決で部会にて次々と審議、国会で法律として通せば、自民党に対する評価も良い方向へ大きく変化したと分析している。

自民の再生復活のために国民のための開かれた政務調査会や部会への大改革が必要

自民党のフルスペックの総裁選では、テレビメディアを使って高市議員による減税・積極財政や関税対策の主張がお茶の間を賑(にぎ)わすのであろう。  同時に古いオールド政党の自民党を改革する国民のための開かれた政務調査会や部会の組織大改革も総裁選で提案、自民党が再生復活で生まれ変わる具体的な提案も必要になるとみている。  それは議員と一部の学識経験者だけの閉じられた調査会・部会でなく、ネット意見箱など様々な課題をかかえる国民からの要望を収集、分析、集約化、それらを解決するソルーション志向の政策、 法案を審議する党独自の政策シンクタンク機能を拡充することを意味する。 当然、従来の議員の勉強会を兼ねた各自の政策能力の向上を目指し、一部の雛段の幹部が暗躍する調査会や部会ではなく、 広く全国の党員の意見や提案も集約、落選議員の中から限られた報酬でも参加して政策研究を支援する仲間も加わった開かれた政務調査会が必要となるのであろう。  旧態然としたオールドイメージの自民党を変え、自民党も変わったといわれる組織へ変えられるのは、高市新総裁以外には考えにくく、自民の再生復活も大事な総裁選の争点になるとみている。

以 上

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〔編集後記〕

参政党の大躍進は今後も続き、全国規模で様々な市町村や都道府県の議会で自民党に代わって与党を占めるところが増えるのであろう。 市長や県知事なども増加するとみている。 参政党の党員も9万人弱から2030年までに数十万人以上へ急拡大すると予想している。 従来、自民党や国民民主党へ献金してきた大手企業や労働組合が、献金を継続しながらも、 社員や組合員に参政党への個人参加を奨励する動きがでてきて、自由意思で参政党の政治活動に参加すれば、特別有休を付与し会費の個人負担を一部補填、 そのかわり党から許される範囲で参政党の動きに関する情報を収集するところもでてくるのであろう。 つまり、保守連立体制を先取りして、企業や労働組合の間接的な参政党支援の動きが広がるとみている。

参政党の党首の神谷さんは実に不思議な人物である。 従来の政治家にありがちな裏表のある胡散(うさん)臭さが全く感じられない。  まるで若い純粋な気持ちの少年がそのまま大人になった風貌で人を惹(ひ)きつける魅力をもっているのである。  子供の目をして一見甘いとっちゃん坊(ぼう)やと勘違いするが、話をさせると論が立ち、露骨な反論で相手に不快な感じを与えず、言っている内容は反論できない正論なので相手も納得せざるを得なくなるプロ話法となっている。  先日もテレビで元大阪市長の橋下氏から財源を国債に頼ると金利が上昇するのでどうするのかと突っ込まれていたが、間髪入れずトランプ大統領もやっている市場との対話を重視しその都度、国債発行をどうするか考えるべきだと正論で平然と答えていた。  志(こころざし)から来るものなのか政治的なセンスがかなり高いと感じられた。

自民党の高市さんも変わった不思議な人物である。 生き方の哲学、主義主張の大事なところは頑固に変えないし妥協もしないそうだ。 人との付き合い、交流ももともと不得意なご様子で挨拶も何となくぎこちない感じは受ける。 それゆえ、利権政治の塊(かたまり)で人づきあいが重視され、財務省も含め妥協だらけの自民党のような古い体質の政党では付き合いにくい存在とならざるをえないのであろう。 それでも周囲から妥協しろと言われ、LGBT法は賛成して保守の不評を買ったが、彼女にとって関心が低いテーマだったのではなかろうか。 どんな政治家も人の子、得手不得手(えてふえて)があり、不得手を正しくアドバイスしてくれる保守参謀が必要と思われる。 ただ、彼女のスピーチには人の気持ちを明るくさせる不思議な魅力と惹きつけられる何かがある。 各地の党員向けセミナーは毎回満員御礼となるほど大勢の人が集まり、中には涙を流す人もいるそうだ。 何らかの国を思う魂の共鳴が無ければそうした光景はありえない。

もうすぐ安倍首相が凶弾に倒れられて丸3年が経過した後のお盆がやってくる。 一度も面識がないのに亡くなられてから、夢でリアルに生きておられるような現役バリバリのお姿で会った日の朝を今でも忘れない。 言葉は交わさなかったが、何か言いたいご様子であった。 日本のゆく末が心配で、仏となって成仏された後もあの世から暖かく日本、日本人を見守っておられるような印象を受けた。 多くの日本人を惹きつける神谷さんと高市さんという不思議な保守二人の政治家の登場は、神の国日本の明るい未来を示唆しているような気がしており、結果的にお二人が迷える日本、日本人の救世主的な存在になられることを心より祈りたい。

合掌

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