2025年11月17日
社会資本研究所
南 洋史郎
神がかっている高市政権の誕生劇に何かスピリチュアルなものを感じるのはなぜだろう
10月4日に自民党総裁選で高市総裁が選出されて1か月余り、政治が目まぐるしく変化し続けた。 10月10日に公明党が連立与党から離脱宣言、20日に自民党と保守色を強める維新が連立を表明、
連立パートナーがリベラル色から保守色の政党へ切り替わった。 過去26年の四半世紀にわたり、公明党は与党自民党と連立を組み、
日中の懸け橋として中国経済の発展、繁栄を支え、高市政権へも引き続き親中路線の政治圧力を加え続けると思われた。 ところが日本の親中政策の中心的役割を担(にな)ってきた政治集団が突然、連立離脱を表明、日本の政治への中国介入の影響が弱まった。
台湾有事が懸念され、中国共産党による日本への支配力の高まりを懸念してきたネットの保守論客は、公明党の絶妙のタイミングでの離脱に喜び、高市総裁の運の強さを称賛した。
さらに保守色が強くなった維新との連立政権の合意書には、日本の再起と自立のための安全保障重視の考えが強調されており、防衛強化の具体的な施策まで明示されることになった。
その合意書には、今までの岸田、石破両政権のリベラル政策から高市政権の保守政策へ180度転換の内容が列挙され、
自民党内リベラル勢力を抑え込み、高市政権が保守改革を進めやすい配慮がされており、保守有権者の関心も高く、この点でも高市総裁の運の強さを感じた人も多かったのではないだろうか。
こうして予期せぬ運にも恵まれて10月21日に憲政史上初の女性の高市首相の政権が発足した。 政権発足後、25日に東南アジア諸国連合、アセアン首脳会議に出席、男性ばかりの経験豊富な首脳たちの真ん中に陣取り、
咲き誇る花のように手をつなぐ写真は印象的で、紅一点の華々しい外交デビューとなった。 28日にはトランプ大統領と日米首脳会談がおこなわれ、
和気あいあいとした雰囲気の中で南鳥島での採掘を念頭においたレアアースの共同開発や米国の造船産業への復興投資による再建策が取り決められた。
さらに横須賀に係留された第七艦隊の空母ジョージ・ワシントン艦内でのドナルド・サナエの首脳ツートップによる日米同盟結束を訴求する演説も圧巻であった。
30日から11月1日にかけてはアジア太平洋経済協力機構、APEC首脳会議に出席、中国の習近平主席との日中首脳会談もおこなわれ、日本のプレゼンスを高めることに貢献している。
従来のくすんだ暗い印象の日本の首相のイメージを180度ひっくり返す美しい外見と華麗な立ち居振る舞いの高市首相の姿に外国首脳や国民が魅了され、女性たちが政治に関心を持ち始め、
サナ活という流行語が飛び交い、首相が携行するバッグや使用するボールペンが飛ぶように売れるなどサナフィーバー現象が起こっている。 首相支持率は80%超えとなり、20代の若者では90%近い数字で首相人気としては空前絶後となっている。
株式市場は、高市政権の「責任ある積極財政」を高く評価、10月27日は日経平均株価が史上初めて5万円を超え、11月2日には大谷や山本など日本人選手が所属するドジャーズが2年連続のワールドシリーズ優勝を果たし日本中が沸いた。
高市政権になって次々と良いことが起こり、世の中が急に明るくなったと感じる日本人が増え、神がかった高市政権の誕生にスピリチュアルな何か特別なものを感じた人も多かったのではなかろうか。
中国共産党が自ら墓穴を掘る挑発を続ける中で日米欧の台湾防衛への意識が高まった
テレビやネット番組で中国共産党による台湾有事が叫ばれ、実際、中国の遼寧、山東の2空母が第1、第2列島線を超えて航行、さらに最先端の電磁カタパルトを装備した福建も就航、太平洋上での中国海軍の覇権国家としてのプレゼンスを高めることに成功している。
今年6月に中国の空母遼寧が、日本が来年1月からレアアース発掘を計画している南鳥島の排他的経済水域(EEZ)を航行、空母山東も桟橋など港湾施設を建設中の沖の鳥島のEEZを航行している。
国連海洋法条約では他国の船舶航行や上空飛行は自由でも、軍事的な脅威の強い空母の航行に中国の強い圧力が感じられた。
ところが10月に高市政権となり、南鳥島のEEZで米国と共同でレアアース開発を推進できるようになり、沖ノ鳥島のEEZでも日米同盟の強化で中国の軍事的な脅威が消えた状況となっている。
大方の日本人は首相が変わっただけで、ここまで安全保障の環境が変わるのかと驚いたに違いない。
高市総理になって国会中継をネットで視聴する人が増えている。 とにかく面白くわかりやすいので数万から数十万以上のアクセスがあり、関西漫才のような笑えるやりとりも多い。
逆にうんざりする嫌な質疑をする議員や政党への国民の評価は厳しい。 国会中継で自らネガキャンを続けるようなもので解散総選挙の時は相当に苦労するだろう。 11月7日の立憲民主党の岡田副代表の国会の質疑はまさに国民からダメ出しされるひどいものであった。
中国共産党が知りたくなる台湾有事の存立危機事態とはどんなケースかを執拗に問い詰め、首相の見解を問い質(ただ)していた。 本来、そのような内容は軍事機密であり、国会で答弁すべきものではない。
案の定、台湾有事に日本が武力介入すると勝手に解釈した中国側が過激な反応を示した。 8日に大阪総領事がSNSのX(エックス)上で日本が武力介入したら(首相の)汚い首は一瞬の躊躇もなく斬ってやるという殺害予告と受け取られかねない下品なコメントを投稿、
木原官房長官より厳重注意と削除要請がおこなわれたがロイターはじめ世界中のマスコミが報道、すでに欧米の政府関係者の重大関心事となっている。
中国の外交部や軍部は謝罪するどころか、さらに日本批判を繰り返し、日本への渡航規制など中国共産党自らが自作自演で墓穴を掘る過激な挑発を続けている。
ネットをみると悲惨な安倍首相の暗殺を想起する総領事の下品な投稿からペルソナ・ノン・グラータで国外追放すべきという識者の意見が大勢を占めていた。
また、スパイ防止法や国防動員法の影響を受ける国内在住の中国人への土地規制など安全保障の法案成立を急ぐべきだと言う論調も強まっている。
10日に立憲の大串博志議員より存立危機事態の首相答弁を撤回せよとの意見も出たが、発端は同じ立憲の岡田副代表から首相答弁を求めたものであり、
それを同じ立憲の大串議員が撤回を求める姿に立憲の質疑矛盾がひどいので苦笑した人も多かったのではないだろうか。
11月12日の茂木外相も参加したG7外相会議では、中国による台湾海峡の平和と安定に力又は威圧によるあらゆる現状変更の試みに反対する声明が発せられ、台湾には適切な国際機関への参加支持の表明がおこなわれた。
さらに中国の軍備増強及び急速な核兵器数の増加を懸念、北京に対し透明性向上のコミットメントを要求している。 言い換えれば、G7は中国が台湾海峡の平和と安定を妨げるいかなる武力的な挑発も認めず、
一方で台湾には独立国家として孤立せず、国際機関への参加を促している。
さらに中国が真面目に報告するとは期待していないが、中国の軍備増強や核兵器の増産への憂慮を表明、言外の意味としてG7が結束して制裁する可能性も示唆している。
高市首相の神がかった不思議な力で台湾有事の脅威が弱まり台湾の国際復帰が促される
以上の一連の政治の動きから、高市首相に何か不思議な力が宿っている神がかったものを感じた人も多かったのではないだろうか。 考えてみれば、立憲は親中の政党として有名で、岡田副代表も高市首相の失言、
失脚のチャンスを狙って国会追求をしたと思うが、見事にその目論見はかわされ、それに連動した中国共産党も自ら墓穴を掘る挑発を続けざるを得なくなっている。
しかも中国共産党の異常な言動や挑発、恫喝が、日本国民の台湾有事への防衛意識を覚醒させ、G7先進国の台湾に対する中国の横暴を許さない、台湾は独立国家であり、国際機関へ復帰すべきという意見まで強めたのである。
習近平率(ひき)いる中国共産党が一つの中国、台湾統一の正当性を主張、台湾統一のために武力も排除しないと威嚇(いかく)し始めてから、
日本や欧米は中国を変に刺激しないように中国の主張を認知しながら、台湾の独立主権については言及せず、ひたすら沈黙を守ってきた。 それが今回の総領事の過激投稿から世界情勢が大きく変化し始めたのである。
大阪総領事の過激投稿に端を発する中国の戦狼外交により、台湾がロシアのウクライナ侵攻前のような危険な状況にあることを世界中が知るようになり、中国共産党に対する日米欧のG7の政治姿勢がより厳しくなっているのである。
最初のステップは、台湾の国連を含むWHOなど国際機関への復帰を促す動きであり、さらにG7など西側の先進諸国は、中華民国という民主主義の独立国である台湾の存在を再認識し、
中国による台湾への武力威嚇がエスカレートすれば、中国との国交断絶を覚悟しながら、台湾との国交回復にまで向かっていく可能性もあると分析している。
中国の経済的な失速状態は深刻であり、習近平政権率(ひき)いる共産党一党独裁の政治体制の存続すら疑問視される中、台湾侵攻の軍事的な選択が難しくなってきているのである。
それを一番認識しているのが中国人民解放軍であり、何衛東(かえいとう)副主席を含む9人の幹部が規律違反を理由に党籍剥奪されたのも軍内部の習近平政権へのクーデターではなかったかと分析する専門家もいる。
保有する3隻の空母をみても、実戦配備で戦えるレベルではないと断言する識者もいて、万一日米が結束して軍事衝突が起これば、中国は国家存亡の危機となる大きなダメージを受けるとみている。
また、中国が戦艦や空母を使った台湾の海上封鎖に踏み切った場合、トランプ政権はそうした状態を認めず、果敢に台湾防衛のために海上封鎖を解除するための武力威嚇を強行、緊張が一気に高まるのであろう。
戦争とは軍事だけでなく、金融や経済、情報などあらゆる戦いを意味する。 仮に部分的な武力衝突が起こった場合、SWIFT禁止や中国の海外資産凍結などロシア制裁と同じ対抗処置が講じられる可能性が極めて高い。
そうした厳しい制裁に中国がどこまで耐えて武力侵攻を続けられるかを考えると今の中国の厳しい経済状況からはかなり難しいと分析している。
万一にも国内治安を管轄する警察や軍隊が政府へ反旗を翻(ひるがえ)し、都市部など各地の反政府デモを規制しなくなった時点で国内動乱にまで発展、中国共産党の独裁政権が短期間で崩壊する可能性もでてくる。
21世紀の新たな戦争モデルと核抑止の考え方から防衛産業が急成長し巨大産業になる
これは数十年前から言われてきたことであるが、究極の武力紛争では、人が介在しない無人のロボットやロケットの兵器の争いになると考えられてきた。
無人の武力兵器の技術的、物量的な優劣がその国の防衛力を決める時代になるのである。 戦争で敵や相手の国の人々をより多く殺傷し損害を与えた方が勝ちという従来の戦争の考え方が180度変わり、武力戦争が起こっても、
自国の兵士や民間人を極力死なせない、相手国の兵士や民間人をできるだけ殺さない戦い方へ自国の防衛体制や軍組織、軍事産業を大きく変えることを意味する。
現実を見れば理想の戦争モデルとは程遠く、無人兵器同士の戦争など全く考えられないと主張する専門家がほとんどであろう。
ところがウクライナ戦争のドローンやロケット兵器の活躍、ロシアの大型戦車がジャベリンなど携帯ロケットランチャーで攻撃されて大破するシーンをみると無人の優れた近代兵器により、それを防ぐ技術がまだまだ未熟なため、
兵士や民間人の犠牲はかなり大きなものになっているが、兵器、兵力そのものはどんどん省人化、無人化しており、この軍事的な潮流を否定することはできないであろう。
まさにウクライナ戦争とは、攻撃兵器だけに限定すれば、21世紀の新たな戦争モデルそのものといえる。 従って停戦交渉を始めても、兵士数よりロシアやウクライナの最新の無人兵器がいつ枯渇するかが停戦合意の判断基準になるので、
NATOの欧米からドローン兵器やその兵器に使われる電子部品などが供給される限り、ウクライナは戦争継続が可能となっている。
むしろ、欧米先進国からの禁輸処置によりロシアのロケット兵器の開発生産に限界が見え始めており、そんな中でロシアが戦争を継続した場合、さらに大量の兵士を失い続けるのでロシアはますます窮地に追い込まれるという見方が強まっている。
今のロシアに必要なことは、自国の兵士、兵器、経済的ダメージを防ぐためトランプが仲介する停戦合意を早期におこなうことではないかと言われている。
次に米ソ冷戦時代の相互確証破壊という核兵器の存在が大国間の戦争を抑止し続けるという考え方も大きく変化している。
従来は大都市を数か所瞬時に破壊できる大型核兵器「戦略核」の保有こそが、相手国を威嚇し続け、核保有国に対しても防衛力を発揮できるという考え方が主流となってきた。
ところが兵器として使用可能と主張される小型核兵器「戦術核」の生産装備を重視する国、例えば、中国では戦術核の大量保有を進めようとしているのである。
戦術核といっても広島や長崎ほどの破壊能力は保持しており、核兵器に変わりはなく、それを使用することはいかなる場合も許されないことである。
戦術核を海上の敵空母艦隊などへ使用すると宣言すれば、相手国を瞬時に威嚇でき、その中で自分たちは思い通りに武力侵攻を続けられるという考え方なのであろう。
丁度、反社会勢力の極悪人が被害者を銃で脅しながら、相手を好き勝手にいたぶる犯罪シーンが思い起こされる。
中国は米国を狙った大陸間弾道ミサイルICBMの東風DF-41型も配備、このミサイルの存在が米国への強力な軍事的な抑止力になると考えてきた。
ところが米国はその弾道ミサイルを迎撃できる防衛ミサイル網の開発配備を進めており、中国はICBMより威嚇効果の高い原子力潜水艦を太平洋上で展開し第二列島線を超えて広範囲に行動できる海軍力の保持を目指しているといわれている。
人類を大量殺傷する核兵器は、小型の戦術核であろうとホロコーストと同じ戦争犯罪となる民族浄化のジェノサイド兵器であり、核兵器の保有そのものが、ジェノサイド宣言に等しいと主張する識者がおられる。
一方で逆に現実に目を向けると日本はロシアや中国、北朝鮮という核保有国に囲まれ、唯一の核被爆国として広島、長崎を経験し、この悲惨な経験を二度とせず、他国のジェノサイド行為を防ぐためにも日本だけは相手国を牽制する核保有は許され、
原子力潜水艦の早期配備が必要不可欠と主張する識者もおられる。 今後、どのように核抑止のための国家防衛体制をとるべきかを議論、国家の最重要課題として方針を決める必要がでてくるのであろう。
なぜなら日本は核保有の議論すらできない国内事情があり、ミサイルの迎撃と標的攻撃に絞った防衛体制を構築してきたのである。
広島、長崎へ原子爆弾を投下したB29爆撃機の発信基地であるテニアン飛行場を爆撃で破壊しておけば、悲惨な原爆そのものを抑止できたという考え方、俗に「テニアン破壊シミュレーション」と呼ばれる考え方が存在する。
一方的に戦争を仕掛ける核保有国に対し、戦争初期の段階でこの考え方に基づき確実な核抑止の防衛体制をとるため、果敢に核発射の脅威となる相手国の陸上サイロやミサイル移動のための鉄道、道路、ミサイルの格納庫や生産工場、
戦略爆撃機の飛行場、原子力潜水艦を一方的に破壊し続けるのである。 ウクライナがドローンでロシアの戦略爆撃機の飛行場の一部を破壊したが、ある意味でこの破壊シミュレーションを部分的に実行したとみている。
ただ、その背後に英国、仏国、米国の戦略核の大陸弾道ミサイルがロシアを狙って牽制し続けてきたので、ロシアも核兵器による報復をうかつに実行できず、躊躇したという見方になっている。
破壊シミュレーションが核保有の相手国を牽制しながら成功裏に終えるためには3条件が存在する。 一つ目の条件は、仮に数百発の飽和攻撃を受けても、
100%近い確率でミサイルやレールガン、レーザーを駆使し全てを打ち落とせる完璧な盾(たて)としての国内迎撃体制の確立が必要不可欠となる。
二つ目の条件は、相手の核ミサイル攻撃を抑止するため全ての発射場所を特定、標的を飽和攻撃できる完璧な矛(ほこ)としてのスタンドアローンのミサイル発射が可能な攻撃体制の確立が必要となる。
三つ目の条件は、相手を威圧し続ける核ミサイルを数十発単位でいつでも発射できる原子力潜水艦やその他の核攻撃体制を保有することである。
一つ目の条件を完璧に満足させることは難しく、迎撃用のレールガン開発の技術的なハードルがまだ残っており、二つ目の条件も相手国の全ての発射場所を特定し攻撃することは難しく、部分的攻撃に限定される。
すでに日本の防衛省は2つの条件を矛盾なく補完して効果を発揮できる新型パトリオットのミサイル迎撃体制や最新トマホークによるスタンドアローンの標的攻撃体制を構築し始めているが、
防衛と攻撃の両方に使えるレールガンが補完機能として必要不可欠となっており、開発が急がれるが、どこまで実用可能かは未知数となっている。 そこで3つ目の条件の核保有の原子力潜水艦の保持が、現実的で有効と考えられており、
あくまで最初の2条件を矛盾なく完璧性を追求できるのかを見極めながら、それと並行して核兵器搭載の原子力潜水艦の保有も検討対象にせざるを得ないというのが防衛省の本音であろう。
また、もっとも効果的で即効力を期待できるのが、非核三原則の規制を解除した国内の米軍基地に持ち込まれる核弾頭となる。
万一の時は、今の自衛隊の標的攻撃ミサイルの弾頭交換で核弾頭のトマホークを準備することも考えられ、核攻撃に迅速、的確に対処する考え方も必要になるのであろう。
以上のようにレールガンという革新的な技術の登場で核抑止の考え方も大きく変化し始めている。 極力、自国の兵士や民間人を死なせない、相手国の兵士や民間人を殺さない戦争モデルとは何かを考えながら、防衛産業の省人化、無人化への技術開発が進むと考えている。
例えば、従来80名の乗組員がいた潜水艦をわずか10名で運航できるようにしたり、完全無人となる第七世代の戦闘機を開発したり、小型のドローン戦闘機だけの空母まで開発されるようになるのであろう。
AI制御の無人操作のレールガンで100%ミサイル迎撃が可能となる時代もやってくるのであろう。 いずれにせよ兵隊や兵器の数で軍事力を測る時代は終焉し、どこまで高性能な無人兵器や省人兵器が活躍できるのかが防衛力の優劣を決める時代が到来する。
結局、防衛産業が最先端のヒューマノイド・ロボット技術やAI技術、IT制御システム、レーザー技術、省エネ技術、高度強靭材料技術など様々な先端技術を牽引する開発拠点となり、
そこから民間に転用、活用できる民生技術が新たな産業基盤の礎(いしずえ)となる時代が到来するのであろう。
産業の裾野が大きく広がり、技術力が高度化する防衛産業への積極的な財政投資は欠かせない。 防衛産業が数倍の規模に拡大した時にGDP千兆円も達成できるのであろう。
以 上
〔注〕本記事の著作権は非営利運営の(社)社会資本研究所に帰属します。 本記事の引用、転 載、転記などは自由にご利用いただいて大丈夫です。 複写は、本データのままであれ ば、大丈夫ですが、別データなどへ加工しての複写はご遠慮願います。
〔編集後記〕
今回、原稿を書きながら、なぜか4年前に亡くなった母親のことが思い出され、古き中国と今の中国
の違いを考えてしまった。 1930年生まれの母親は、1940年前後に祖父や祖母と一緒に中国へ渡航、南京女学校で多感な学生生活を過ごした。
当時、母方の祖父は、南京で鉄くずを集め現地の工場へ売る商売をおこない、中国人も50人ほど雇っていたとのことであった。
汪兆銘臨時政権のもと治安は比較的良かったが、学校へは使用人が必ず送り迎えをしたらしいので、怖いこともあったのではないかと憶測している。
中国での古き良き思い出ばかりを語っていたのが印象的で、玄武湖など雄大な中国の風景や中国人のおおらかさに触れながら、島国根性の了見の狭い日本人にだけはなるな、
大陸育ちの中国人のようにどんな逆境でも雑草のようにたくましく生きる人間になれというのが口癖であった。
可哀そうな苦力(クーリー)と呼ばれる物乞いをする中国人もいて、助けようと近づいたら使用人に叱られたという話を聞き、当時の中国に関心がでて、パールバックの大地という本を読んだことを思い出す。
1945年8月の敗戦を現地で迎え、女の子は売られると聞いて丸刈りの坊主になったところ、もともとブチャコ(「ぶさいくな子」の意味)だったので、本当に男の子のような見かけになったと笑っていた。
汪兆銘の肖像の入った現地の高額紙幣をリュックサックに一杯詰め込み、祖父と祖母と母は列車に乗り込み上海までなんとかたどり着いたが、日本へ引揚げる乗船人数に限りがあり、
半年間も待たされたが幸運にも上海で知り合いの中国人の家に寝泊まりをさせてもらって飢えもせず、実家の愛媛県の弓削島(ゆげしま)に無事に帰ることができた話も聞かされた。
日本に戻ってみるとピカドン(広島の原爆)があって、弓削島のような田舎でもその光をみたそうである。
その後、1980年代になって新聞紙面で30万人の南京大虐殺の話が報道されたが、そんな事実があったのかと聞いたところ、
「戦争中のことで数百人の殺し合いはあったかも知らんけど、現地でそんな話は一度も聞いたことが無い、もし数千人でも虐殺があれば、
中国人の恨みを買って、現地の日本人は全員殺されたと思う。おまえもこの世に生まれてない、おまえが生きて存在するのが虐殺の無かった証拠とちゃうか」と淡々と語っていたことを思い出す。
さらに「おかしな話やな、当時の南京は汪兆銘の政権なので、共産党なんてどこにもいなかったけどな、なんでこんな話が今ごろでるのやろ」と不思議な顔つきをしていた。
当時、経団連がさかんに中国の共産党と交流、戦争の謝罪と反省の話が新聞の紙面上に掲載されていたが「おかしいな、日本が戦ったのは国民党なんやけどな」とはよく言っていた。
今の中国は80年以上前の中国と異なり、近代的なビルが立ち並び、中国の経済状況は悪化しているようだが、それでも大量の中国人観光客が来日、金持ちの中国人も多く、経済力があってとても裕福な印象を受ける。
日本に同化されて日本人以上に日本的な中国人も増え、その優れたバイタリティーには圧倒されることも多い。
ただ、今回のような中国共産党による一連の異常な言動に触れ、東京や大阪で億単位の不動産購入の話を聞くと日本の将来に対する漠然とした不安がよぎるのも仕方がないのであろう。
早く中国が欧米や日本のような民主的な普通の国になられることを祈りたい。
合掌

