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権威主義との新大戦が続く中で政治はどんな変化をするだろうか

2025年12月1日

社会資本研究所

南 洋史郎

総力戦の世界大戦の脅威が消えて目標攻略戦による平和と安全を目指す戦いとなる

敵国を明確に認識でき、相手国が敗戦を認めるまで民間人を巻き込み大量に殺傷、致命的な損害を与え、圧勝する「総力戦」と呼ばれる軍事、政治、経済など国民や国全体で激烈かつ数年間にわたる過酷な戦いをおこなう戦争モデルが第次次世界大戦や第二次世界大戦であった。  1914年7月から1918年11月までの4年4か月の第一次世界大戦では、連合国と中央同盟国との戦いにおいて延べ1千万人の戦死者、2千万人の戦傷者、8百万人近い行方不明者がでている。  1939年9月から1945年8月までの6年間の第二次世界大戦では、連合国と枢軸国の戦いにより延べ2千万人の戦死者、3千万人以上の民間人の犠牲者がでており、無差別の大量殺戮兵器の開発が進み、 一度大戦が勃発すると止(とど)めもなく民間人の犠牲者が増えるようになった。 核兵器の弾道ミサイルの登場により、第三次世界大戦が従来のような「総力戦」で戦われると深刻な放射能汚染の影響も残り、 兵士と民間人の区別なく、少なくとも数億人以上の犠牲者がでて、その後の地球規模の環境破壊で数十億人以上が餓死する予想がされており、人類はついに絶滅の危機を迎える。  総力戦による第三次世界大戦の不安は残るが、100%防御のAI迎撃ミサイル網、あるいはレールガンなどの新技術の防衛システムが開発された時点でその脅威はかなり小さくなるのであろう。

絶滅の危機といえば、人類は細菌やウイルスとの敵味方の区別のない熾烈(しれつ)な戦いも歴史上経験してきた。  14世紀に欧州で流行したペストは2千万人以上の死者がでて、百年前の1918年から1920年に流行したスペインかぜのA型インフルエンザは5億人が感染、5千万人以上が命を落としている。  2020年1月に中国の武漢の研究所で発生したコロナパンデミックは、世界中にウイルスが蔓延、7百万人以上が死亡、超過死亡まで含むと一説では3千万人以上が死亡したとされる。  人類滅亡を防ぐためには生物兵器開発だけは絶対に阻止する必要があり、生物兵器禁止条約が1975年に発効され、イスラエルなど一部の国を除き189か国が批准している。  中国発祥のコロナパンデミックが軍事機関や大手医薬メーカーによる新ウイルス研究中の事故ではなかったかという疑念はいまだにSNS上で語られ、米中当局の隠ぺいで完全には払拭(ふっしょく)されていない。

悲しいかな人類はそれでも常に好戦的な武力紛争を続け、戦後80年間でも1950年から1953年の朝鮮戦争では50万人以上の戦死者、2百万人の民間人が犠牲になっている。  1955年から1975年のベトナム戦争では民間人も含め3百万人以上の人命が失われている。 1948年5月のイスラエル建国以来、今も戦いが続く中東戦争は累積で数十万人以上の犠牲者があり、ガザ地区は数万人以上の子供を含む民間人が殺戮(さつりく)されている。  一方で日米欧の先進国やブラジル、ロシア、インド、中国のブリックスなど新興国の経済的な覇権を目指す動きをみると21世紀になると武力紛争は起こりにくく、グローバルな金融、情報ネットワーク、 特にユーチューブ動画等で世界中の人々の様々な生活や風習、文化、流行などの日常がリアルタイムで視聴できるようになり、意識のグローバル化が急速に進む中、従来の「総力戦」という武力衝突の考え方が無くなり、 武力紛争に発展しても、自国の兵士や民間人を極力死なせない、相手国の兵士や民間人をできるだけ殺さない「目標攻略戦」というチェスや将棋のゲームのような感覚の新しい戦争モデルへ人々の意識が急激に変化しているのである。

目標攻略戦では、総力戦のような民間人を含め数百万人単位で大量の人命が失われ、生活インフラまで破壊する戦いは起こらず、数十年以上の長期間にわたり、投資や貿易、金融取引、情報工作、外交交渉などで静かな国家間の争いが繰り広げられ、 一般国民は戦争状態という認識すらなく、中国共産党はこれを超限戦と呼び、地道に勝ち抜き、生き抜いて国の繁栄を目指すのである。 ちょうど米ソ冷戦時代の世界情勢に似ているが、目標攻略戦の世界では、 他国の目標攻略戦の目標とするテーマが、自国の平和や安全を脅かすものであれば、毅然(きぜん)と防衛する姿勢を堅持するが、自国の平和や安全を脅かさないのであれば、他国の目標テーマに極力干渉せず、関与しないのである。

今は権威主義と民主主義の国々が争う新しい世界大戦の真っ只中という見方をしている

目標攻略戦という見方で世界の覇権国家の争いを再定義するとロシアや中国、ベラルーシ、北朝鮮、イランなどのように国民を権威の前に服従させる独裁的な「権威主義」(Authoritarianism)の国々 とG7を中心とする日米欧の先進国や台湾、韓国、カナダ、オーストラリアのような国民主権で国民のための政治をおこなう「民主主義」(Democracy)の国々との間で、 政治、経済、金融、情報、武力衝突などあらゆる機会をとらえて長期的な世界的な戦い、新しい世界大戦、新大戦が起こっていると考えられるのである。  権威主義と民主主義の国家間の目標攻略戦による武力衝突をこの新大戦の始まりとみるとそれは2022年2月24日に起こったロシアによるウクライナへの武力侵攻ではないかと考えている。  すでに3年半以上が経過し、一進一退の戦いが展開されているが、ウクライナの大方の武器弾薬は米国や欧州などNATO加盟国からのものであり、ロシアは中国から兵站(へいたん)物資、 イランからドローン兵器を取得、北朝鮮から兵士の供給を受けてこの戦いを続けている。 目標攻略戦だが、すでにロシアとウクライナの双方で百万人を超える死傷者がでており、 米国のトランプ政権は大量の死傷者が出るだけの無益な戦争とみなして停戦交渉を進めている。 権威主義のプーチンのロシアは、ウクライナをロシアの安全保障の政治的な支配地域にするという目標攻略は捨てていないため、 今後も停戦交渉が難航することが予想される。

権威主義と民主主義の国々の間で起こり得る次の目標攻略戦は、中国による台湾への武力侵攻ではないかと懸念されている。  新しい戦争モデルにおける新大戦では、総力戦のような大規模な武力戦争は起こらないので、当事国同士も熾烈に戦っているという認識すらなく、場合によって数十年以上の長きにわたる戦いも覚悟しないといけない。  そしてこの世界大戦は戦う前から勝ち負けがはっきりしている。 当然ながら、権威主義国は独裁リーダーの寿命が限られ、命運が尽きたときに政変が起こり敗者となる。  一方、国民主権を尊重し国民のための政治をおこなう民主主義国は、常に選挙によって国民から支持される有能な新しいリーダーを選び続けるので勝者の立場となる。  例外もあり、北朝鮮のように1953年7月のスターリン急逝で朝鮮戦争が停戦となり、その後も72年以上にわたり親子代々で強固な権威主義を堅持、厳しい経済制裁の中で国民は極貧生活でもがき苦しみ続けている。  権威主義国では、様々な国内事情で独裁的な政治体制が続くことがあり、ロシアや中国、ベラルーシ、北朝鮮、イランなどが民主主義国へ変貌を遂げ、その他にも民主主義国の安全を脅かす好戦的な権威主義国が現れなくなった時点でこの新大戦も終結する。  それがいつかはなかなか予想できないが、少なくともロシアと中国がポストプーチン、ポスト習近平の新しいリーダーとなり、民主主義的な政治体制へ転換できた時に北朝鮮やイランも政治が変わり新大戦の終結となるのであろう。

残念ながら、ロシアのプーチンや中国の習近平の独裁政権が続く限りこの新大戦は続くが、単純な発想で目標攻略戦なのでトップだけやっつければ新大戦を終了できると考えがちである。  ただ、この発想は間違いである。 独裁的な権威主義でないと国を統治できないということは、国民の評価は、独裁で統治する政治力以外は無能であることを意味する。  国民は表立って批判はしないが、許される範囲で徹底抗戦する傾向が強い。 それが経済的な繁栄を阻害し、国を衰退させる元凶になることもあり、むしろ、無能な独裁者が長く政治をおこなえば、その国の国力は衰退し続け、 民主主義国にとって逆に経済的な脅威がなくなり、自国の国益を高められるという考えになる。 国民が我慢できないほど無能すぎれば、クーデターでいつかは権威主義から民主主義への大転換が起こるという見方もある。  一方、権威主義国の独裁トップは、1989年12月に起こったルーマニアのチャウシェスク大統領のような末路を歩むことを嫌い、疑心暗鬼の偏執狂的な精神状態の中、身内の政治家すら信じず粛清する傾向が強く、 それが自らの長期延命につながると信じているのである。 いずれにせよ権威主義国の一番哀れな被害者はその国の国民となる。 その観点から権威主義国の体制を変えるために根気よく平和的に交渉を続ける忍耐力も必要となる。  否(いな)それは無理と悟り、国連などで正論を主張し続け、毅然と外交交渉を貫く姿勢も必要になることもある。 一方で、権威主義国の弱みを探り、テーブルに着く交渉カードを模索し続ける忍耐力も必要となる。

ロシアと中国の最大弱点は民主主義国との交流で経済繁栄を享受した国民の反発である

北朝鮮やイランとは異なり、ロシアや中国は今まで大国として国民の海外渡航、海外生活に寛容であり、ロシアはプーチンによるウクライナ侵攻以前はドイツやその他の欧州の国々や日本など世界中の民主主義国と密接な民間交流を続けてきた。  中国も1980年代の鄧小平時代から日本やドイツ、米国など世界中の主要国と親密な経済交流をおこない、1980年4月に国際通貨基金IMFと世界銀行に加盟、2001年12月にWTOへ加盟したものの、為替市場の自由取引は実現できておらず、 中国人民銀行が市場に介入する管理変動相場制のもと資本取引のため元とドルや円への交換に厳しい規制、制限をかけ、中国へ投資した日本企業が稼いだ収益を円に転換し持ち帰りにくくしてきた。  こうした中で2022年2月のウクライナ侵攻以降、ロシアはSWIFT取引を禁じられ、日米欧にあるロシアの金融資産が凍結され、 IMFや世界銀行、WTOへの加盟は継続しているが、厳しい制裁規制が課せられ、他の権威主義国やインド、トルコ、カザフスタン、ウズベキスタン、キルギスなどの限られた国々との取引だけに制限されている。

当然ながら、今後、中国が台湾有事をまねく事態になった場合、ロシアと同じ厳しい制裁が課せられるのは必定となっており、中国共産党の習近平主席も台湾を中国に組み入れる海上封鎖や武力侵攻に慎重であると考えられている。  ところが11月7日の国会の立憲の岡田副代表の台湾有事質疑への高市首相の存立危機事態の発言に端を発して、中国共産党の過激な外交発言や制裁が続いており、日本国民の大多数は、 戦狼外交で好戦的になっている中国共産党へは心理的な反発を高め、不快感を強めている。 ただ、マナーの悪い中国人観光客の来日キャンセルはオーバーツーリズム対策で歓迎する意見が強く、 実害がほとんどない水産物の輸入規制には無関心で中国国内のアニメなど日本関係のイベント開催中止など数々の嫌がらせはコロナパンデミック以降、慣れきっており、無視した状況となっている。  むしろ、これを機会に中国人の来日規制の強化を要望する意見が強まっており、中国排斥の気運すら高まってきている。  毎度のことだが、今回も中国共産党の外交姿勢は裏目にでており、日本人より少数ではあるが親日の中国人の反発までまねいているのではないかとみている。

日本へ来日しているロシア人や中国人は、母国が権威主義の独裁政治に支配され、海外での言論も厳しくチェックされ、規制を受けている中で政治を語りたがらないが、 米国や日本も含め韓国や台湾といった民主主義国の繁栄をみると窮屈な言論空間で厳しい生活を強いられる自国への潜在的な不満、反発は強まっており、ロシアや中国で厳しい経済状況が続くと母国の政治体制が激変する予兆も感じ取っているのではないかと推察している。  どんなに当局が規制しようと中国国内では市民デモが頻発しており、まずは中国から共産党政権の崩壊が進行すると予想している。  逆にプーチンや習近平は反体制の動きに敏感で、大きく燃え広がらないように早い段階から鎮火のための粛清を強化、盤石な国内の治安体制を維持できているという見方もある。  ただ、1989年の冷戦崩壊前の東ドイツなどの東欧革命では 数十万人から数百万人の市民が街頭で抗議をはじめ、人口比でいえば1割から2割の参加であったが、体制崩壊に直結している。

中国の場合、数百万人都市で数十万程度の国民が市街に出て抗議を始めれば、その動きは全国都市部へも燃え広がり、鎮火せず、大火の暴徒と化すところも増えると憶測している。  中国市民による街頭デモが燃え広がるためには共感できる呼び掛けのキャッチフレーズが必要となる。  日本では前回選挙の時に「日本人ファースト」の文句が脚光を浴びたが、憶測であるが中国では生死をさまよう路上の極貧生活者も増えており、まずは失うものが何もない人たち(Nothing-to-lose Poor People)が導火線に火をつけ、 数十名規模の「食べ物よこせ」デモを始めると予想している。 それがさらに数百名規模の「職よこせ」デモに発展、ついには数千名の「共産党政権の打倒」にまで拡大するのではないかと分析している。  デモの規模が短時間で数千人規模になれば、警察や軍隊の静止は効かなくなるのでいかに短時間でデモの規模を大きくできるかが勝負となるだろう。  一般市民の蜂起は意外と効果が高く、国会でガソリンの暫定税率廃止が決まったが、高市政権の片山大臣の采配もあったと思うが、財務省解体デモが財務官僚に与えたショックが一番大きかったのではないかとみている。  ネット社会となり短時間で数千人規模は集めやすくなっており、中国当局がネット扇動者のデモの呼びかけには神経を使い数秒以内で動画を削除する監視体制をとっているが、おそらく大規模な市民デモを呼び掛ける場合は、 ネットより従来のチラシで人集めがされるのではないかとみている。

高市首相の神がかった政治力で中国とロシアの指導者交代の可能性もでるのであろう

高市首相が不思議な神がかった政治力を発揮していると多くの人が感じ始めている。 国会で存立危機事態になり得ると一言発言しただけで、中国共産党が自ら墓穴を掘るように一方的に騒ぎ立てて収拾がつかない状態になっている。  そのお陰で日本だけでなく欧米の民主主義国や国連参加の国々のメディア関係者や政治当局者の多くが「一つの中国のための台湾統一」という中国の主張が論理的に矛盾しおかしいことに気づいたのではないかと分析している。  1971年に成立したアルバニア決議は、中華人民共和国を国連の中国代表に選び、常任理事国の地位まで手に入れた。  しかし、中華民国の代表の蒋介石は国連を追放されたが、中華民国を国連から追放するとは明言されておらず、当時、米国や日本などが中華民国も国連加盟を続ける二重代表制を主張したが決議に至っていない。

今回の異常な台湾有事の騒ぎからG7外相会議は中華民国を国際機関へ復帰させる決議をしている。 国連への中華民国の復帰は、民主主義国の長年の懸案だが、常任理事国の中国が常に反対するので実現できない状況が続いている。  国連憲章のあらゆる重要な国連決議が、新大戦で敵対する権威主義のロシア連邦と中華人民共和国に牛耳られており、自分たちに都合の悪い議案に対し拒否権の行使がおこなわれるので、すでに国連そのものが機能しなくなっている。  新大戦が終結、ロシアや中国が国民主権の民主主義国に変わるまで国連は機能しないと割り切る必要があるが、一方で台湾がロシアや中国に気兼ねせず、平和的に参加できる国際組織への加入を促す地道な努力も必要となっている。  すでに台湾はWTOに加盟、その際に使用した「台湾など独立関税地域」という名称で「環太平洋パートナーシップの包括先進的協定」、CPTPPへの加入を申請中であり、英国が昨年12月に加入、今回の騒動で台湾加入も早まったと分析している。

米国では、今回の中国共産党の高市バッシングが契機になったかは定かでないが、11月18日に上院の全会一致で台湾保証実施法が可決され、政府高官交流に制限がなくなり、台湾総統が米国政府を直接訪問、交流できるようになった。  要は中国共産党がバッシングすれば米国はじめ民主主義国は次々と台湾を支持、支援する動きを強めており、日本最初の女性首相に対するG7の評価が高いのではないかとみている。  今後も中国が高市首相への対応を誤るとG7の結束を強める図式となり、一方で中国国内では給与未払いなどに対するデモが頻発、活発化しており、2026年に予期せぬ想定外の習近平主席の退任も可能性として考えられるようになってきた。  地方政府の隠れ債務が増えすぎて地方財政の資金がまわらないところが増加しており、中央政府の財政崩壊を防ぐ手立てがないとトップが判断したときに退任の選択もでてくるのであろう。  要は自国の財政状況を把握し対策をとれないほど経済に疎(うと)く無能だったという評価になるのである。 ポスト習近平で就任する新主席は集団指導体制に戻したとしても今の経済苦境を乗り切るためには相当に苦戦すると思われる。

ロシアのプーチンもウクライナと仮に停戦合意しても、その後の身の処し方に苦悩するのではないかとみている。 一方、戦争継続はロシア経済をさらに疲弊させるので数年以内に困難な局面に遭遇すると分析している。  停戦後は財政の4割を投入した戦争がなくなり、ロシアの国内の経済をけん引してきた軍需産業が不況に陥(おちい)り、国内景気が落ち込むことも懸念される。  SWIFTなど国際取引の規制が停戦後に解除されるかどうかも見えておらず、数十万人規模の戦争犠牲者に見合う戦績があったとは言えず、国内不満が高まり、それがプーチンへの不満となって一気に噴出、政変が起こる可能性が高い。  高市首相はウクライナ支援を表明、無期限のロシアへの入国禁止対象になったことに不快感を示しており、停戦後もプーチン政権に対して関係改善は望みにくくなっている。  停戦後に政変が起こりプーチン失脚でポストプーチンの新大統領が戦後処理を進める場合、ロシアにとって日本との関係回復は財政破綻を防ぎ、経済復興をはかるために最重要な課題になるのであろう。  北方領土の全面返還も高市首相の神がかった政治力で実現の可能性もでるのではと期待している。

以 上

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〔編集後記〕

高市首相の就任からわずか1か月余りしか経過していない。 しかし、1年以上が経過したと錯覚するぐらい中身の濃い政治手腕には感服している。  例えば、ガソリン税の暫定税率廃止は1974年に導入されて50年以上が経過、もう無理と思っていたが、12月末に廃止が決まり、片山大臣の功績も大きいと思うが、その辣腕(らつわん)ぶりには驚いている。  中国共産党の自傷、自爆的な批判や制裁は全てブーメランで戻っていくのでこれから中国は大変であろう。  中国共産党の異常さを誰もがわかっているが、その深刻な背景を分析している報道記事が少なすぎるので、今回、権威主義国と民主主義国との新たな戦いという視点からまとめてみた。  この新大戦は民主主義の国が必ず勝利するので、権威主義の国がどのように生き残りをはかるのか冷静に観察したいと思っている。 冷めた視点で中国分析ができるのは、4年前に逝去した母親のお陰と思っている。

1930年生まれの母親は、1940年前後に中国へ渡航、南京女学校で学生生活を過ごした。  当時、母方の祖父は、現地で使用人を50人ほど雇って事業に成功、結構羽振りは良かったらしい。  実家の弓削島で夏休みを過ごした時に2機の紫電改の写真が飾ってあったが、祖父が寄贈したものであった。 当時、結構な金額の寄付をしたらしい。  2枚の戦闘機の写真だけが贈られてきたが実家がなくなるまでずっと飾られていた。 お国のためにご奉公できたという思いがあったのであろう。  南京の現地で敗戦を迎え、男の子のように坊主頭になって祖父と祖母の3人で汪兆銘の高額紙幣をリュックサック一杯に詰めて列車に乗って上海についたところ、全く価値がなくなり、 無一文となり、日本へ引揚げる乗船人数にも限りがあり、乗船できるまでの6か月間、中国人の知り合いに助けてもらった話はよく聞かされた。  紙幣なんて紙くずになるから金や銀をもっとかないとあかんと言っていた。 当時は中国を支那とよび、1970年代の頃は南京や上海の支那人にはお世話になった、命の恩人だ、心が広くおおらかな人が多く、いつか南京へ行きたいというのが口癖であった。

2000年代中頃に70歳半ばになって、南京女学校の時代の幼馴染(おさななじみ)数名と10日間余りの南京旅行にでかけたが、あれほど南京旅行を楽しみにしていた母親が帰宅しても南京のことを全く話さないので、 どうだったかと聞いたが「おっとろしいところやった」とポツリと言った後、それ以降は南京や支那の話は一切しなくなった。  何も語らないのであくまで憶測だが、南京大虐殺記念館なる意図的に日本人を憎悪し反日感情をあおる施設があり、相当に嫌な経験をしたのではないかと推察している。  母は悪意ある虚言に対して、根性が悪い、素直でないと怒ることが多かったので、当時の本当の南京は日本軍や汪兆銘という親日の国民党一派しかおらず、 南京にいなかったはずの共産党員がつくった展示物の写真や物証があまりに嘘が多く、相当に腹を立てたのではないかと憶測している。  その怒りの矛先は、一般庶民の中国人ではなく、共産党が支配する中国そのものではなかったかと勝手に類推している。

終戦後、半年以上も上海で過ごした後で愛媛県の弓削島へ無一文の着の身着のままで戻ってきた祖父と祖母、母親は、貧乏暮らしだが、海産物やミカン畑で細々と生計を立て、 京都府立の女子学校を卒業、県庁職員として働き、その後、大阪の父と一緒になったが、小学校の頃は夏になると弓削島へ帰省したことを思い出す。  弓削島は、美しい細長い砂浜があり、ひょっこりひょうたん島そっくりの小さな島で、夢でドンガバチョやトラヒゲなどが現れてびっくりした思い出がある。  ガキ大将にいじめられ泣いて帰ると村上水軍の海賊の血を引く子なら、泣かずにやり返せと叱られた思い出があるが、 確かに近所には村上姓の表札が何軒かあったので、おそらく島の子は事実とは違っていても、みな水軍の侍の子としてたくましく生きろと叱咤激励(しったげきれい)されたのであろう。

合掌

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