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国民は高市政党を選択し生活が良くなる明るい未来を託した [後半]

2026年3月3日

社会資本研究所

南 洋史郎

産業の裾野を広げる技術革新を促す政策には防衛省主導のビッグパトロンが必要

資金循環理論の第3法則は「産業の裾野を広げる革新的な技術開発による製品市場の資金循環 が増えるほど経済は拡大する」というものである。 当然だが、産業の裾野を広くする革新的な 技術や製品、市場開拓には、失敗はつきものであり、未完成な製品でも辛抱して使い続け、つね に客目線で改善を促し、その会社や経営者を温かく見守り、応援し続けるパトロン、ご愛顧の客 が必要不可欠となる。 歴史的に見ればインターネット、GPS、半導体など世の中に大変革を もたらす技術はすべて米軍という巨大パトロン、通称、ビッグパトロンの存在があって初めて開 発できたのであり、その裏には冷戦時代のソ連の脅威が存在した。 高市政権の動きをみるとこ の米国のビッグパトロンの仕組みをうまく日本へ導入することを狙っているとみている。 高市 首相が防衛研究費の増額や「スピンオン(民間技術の防衛転用)」を強調、様々な民間企業を防 衛産業に巻き込もうとしているのがその根拠となっている。

特に汎用人工知能AGIやヒューマノイドロボット、核融合技術、量子暗号技術、サイバー防 衛システム、次世代衛星通信技術などの最先端の技術開発は、全て軍事的な機密性が高く、必ず 経済安全保障が絡むが、その全てにわたり防衛省の防衛研究所や防衛装備庁が中心となって開発 をリードすることは困難である。 そこで防衛省がビッグパトロンとなって、3つの特定国立研 究開発法人である理化学研究所や産総研(産業技術総合研究所)、物質・材料研究機構に思いき った軍事予算を割当て、さらに民間企業も巻き込んで防衛技術研究開発コンソーシアムをテーマ 毎に次々と組成、中国など敵対国への技術漏洩を防ぎながら、中国やロシアの脅威を背景に最先 端の技術開発に思い切った予算を割り当てるのである。 この動きに東大や東科大、京大、阪大 など大学の技術研究機関も参画できないと先端開発にとり残され、大学の権威失墜にもつながる ため、中国人など海外留学生への技術漏洩を防ぐ約束をしながら、最先端の研究開発にも参画さ せるのであろう。 こうなるとお花畑の象徴であった日本学術会議も180度体制を転換せざる を得なくなるのではないだろうか。 予算規模は少なくとも数兆円単位の莫大なものとなり、複 数年度、おそらく10年単位の長期の防衛技術の開発が推進されると予想している。

防衛省というビッグパトロンによって開発される技術の中で、民生転用可能なものは次々と画 期的な新製品、生産工場システムとして新産業創出に活かされていくのであろう。 例えば、兵 士向けの薄くて軽い防弾を兼ねた超強靭(ちょうきょうじん)繊維、それを縫製するための強力な 自動縫製(ほうせい)ミシンと縫製支援ヒューマノイドロボット、それらを使った無人工場プロト タイプを開発できたとする。 最初は縫製の不具合がいたるところで発生、兵士より着にくいな どの不平不満が続出、縫製工場でも扱いづらい、固すぎすぐに針が折れるといった文句もでて、 解決すべき問題が山積するのであろう。 普通の客なら品質不良で金を返せと主張するだろうが、 防衛省のビッグパトロンは逆にそのための不良品改善や問題解決に新たな予算をつけ、製品や工 場システムが完成するまで追加発注を繰り返しながら辛抱強く待ち続けるのである。

試行錯誤の末にやっと完璧な制服や戦闘服の縫製ができ、そのロボット縫製の無人工場が立ち 上がって大量生産がはじまり、兵士数万人の制服縫製に着手できるようになるとその時点でその 防衛プロジェクトに参画した繊維会社やアパレル企業などの株価が数倍に跳ね上がることになる。 従来は縫製工場と言えば、発展途上国で安い労賃で生産するのが鉄則であった。 ある専門家は 縫製業界を低賃金放浪カンパニーと揶揄(やゆ)していたが、難易度の高い固い超強靭繊維まで縫 製できるようになるとほとんど全ての繊維の縫製をロボット無人縫製工場で扱えるようになり、 海外で低賃金の国を放浪するモデルから国内生産中心のモデルに大転換することになるのである。 当然ながら民生転用先は国産企業に限定され、すでにロボットを使った無人縫製工場のノウハウ は確立されているので、全国津々浦々にこの無人縫製工場が建設されるようになる。

全国へ無人縫製工場の技術ノウハウの普及が始まると小規模な工場は、全国に分散して立地す るようになり、無駄な在庫を減らしながら各地方の消費市場の需要変動に応じ多品種小ロットで 製造販売する時代がやってくるのであろう。 ユニクロのような大型店舗では、近くに店舗併設 の無人縫製の加工機械が置かれ、ズボンの寸法直しや規格外のビッグサイズの服などもその場で 縫製、提供できる便利な時代も到来する。 つまり、ビッグパトロンの防衛省の採算度外視の無 人縫製技術への挑戦が、アパレル産業全体の構造変革をもたらすのである。 同様に長期間保存 でき、味もおいしい兵士用の革新的携帯食や数十分で組立可能な作戦司令部のIT通信機能を満 足させる野営地テントなど衣食住に関連する革新的技術開発テーマだけでも数百以上は考えられ、 それに採算度外視のビッグパトロンの防衛省が関与すれば、衣食住の関連産業へは常に革新的な 技術イノベーションを提供できるようになるのである。

この防衛省のビッグパトロン主導型のイノベーション技術開発は、当研究所シミュレーション では莫大な産業創出効果、GDP拡大効果を日本にもたらすと予想している。 例えば、無人縫 製工場の開発事例で言えば、8兆円前後の国内アパレル総小売市場における国内縫製工場の生産 比率は数量ベースで現在わずか2%しかない。 無人工場の普及生産で7割強が国内生産に転換 されたと仮定するとそのGDPの拡大効果は毎年6兆円となり、仮に防衛省がこの開発に6百億 円を投入するとしても、GDPの拡大効果は百倍となる。 しかもそのほとんどが無人生産に置 き換わるため、発展途上国の低賃金の縫製工の方々の失業やアパレル貨物の輸入業者の倒産をま ねくかもしれないが、日本国内へは突然6兆円もの売上粗利益の資金が転がり込むのである。

さらにその売上粗利益の資金が様々な地方のアパレル縫製工場の民間投資を誘発、多種多様な アパレルがつくられ、地方の消費ニーズにあった数兆円以上の個性的なロボット縫製機械やその 構成部品を製造する新たな地方産業を生み出すのである。 つまり、わずか6百億円の防衛省主 導のビッグパトロン財政予算が10兆円規模の新たな産業を創出、GDPを拡大させ、新たな資 金流通を生み出す原動力になるのである。 まさに資金循環の理論通りにビッグパトロンの仕組 みを活用した革新的な技術開発による製品市場の資金循環が増えるほど経済は拡大するのであり、 その拡大の規模は数百倍以上になることも起こりえるのである。

危機管理のため国主導で取り組む公共投資政策は高品質なGDPの拡大に寄与する

資金循環理論の第4法則は「起これば壊滅的な危機が発生するリスクを防ぐために投入される 資金が大きいほど経済は拡大する」というものである。 ここでいう経済の拡大とはクオリティ の高いGDPの拡大を意味する。 GDPとは付加価値の集合体であり、高品質なGDPとは、 毎年継続的に収益を上げるストック型の産業比率の高い国を意味し、逆に低品質なGDPとは、 継続性が無く、単発的なフロー型の産業比率が高い国を意味する。 国民生活を向上させる商品 の製造業やアニメや映画などの知財産業は高品質なGDPに貢献し、戦争による破壊復旧や地震 などによる災害復旧などは低品質なGDPにつながりやすい。

一方、国民生活の向上に寄与する産業比率の高いGDPをグッドGDP、逆に麻薬や地下経済、 国民生活を悪化させる賭博や暴力の裏社会が発達、労働搾取的な付加価値の低い産業比率の高い GDPをバッドGDPと呼んでいる。 先進国含め大方の国はグッドな高品質GDPであるが、 治安が悪く紛争が続く途上国や権威主義の独裁国家にはバッドな低品質GDPの国が散見される。 地震や津波、台風、豪雨で壊滅的な危機が発生した場合、その復旧に巨額の公共投資が投入され ると低品質GDPの比率が拡大するが、一方で復旧までに操業できず損害を受けた工場や店舗な どの高品質GDPの比率は縮小する。 結局、壊滅的な危機が発生するとGDPプラスマイナス で考えて経済の拡大は起こりにくく、資金循環も長期にわたって停滞する。

危機管理のクライシス・マネジメントでは、一旦壊滅的な危機が起これば、その損害を最小に 食い止める対策コストの数十倍から数千倍が災害復旧の公共投資に投入され、復旧まで取引がで きず経済機能が停止する。 万一、壊滅的な危機が起こっても未然に危機を避ける様々な事前対 策の土木建設分野の公共工事や予防的な防止対策を継続的に推進する財政支出を強化できれば、 危機発生リスクとその損害を劇的に低く抑え、継続的に収益貢献できる産業を維持、発展させ、 その結果、高品質GDPの拡大を目指すことができるのである。 災害時や戦争時に備えて首都 機能をバックアップできる地域を整備、東京一極集中を是正、多極分散型の国家構造への転換を 目指す維新が掲げる副首都構想は、日本の官僚機構の分散化という視点では賛成である。 経産 省製造産業局自動車課や国交省航空局安全部は名古屋副首都に本拠地を移転、厚労省医薬局や医 薬品医療機器総合機構は大阪副首都に移転すれば良い。 官僚機構は省令など様々な法令ルール を決めるところであり、特定の産業界が集約して、その声を聞きやすいところに官僚機構が移転 すれば、自ずと規制緩和が進むのである。

危機管理の観点から言えば、仮に大地震や敵対国からのミサイルやサイバー攻撃などで東京の 都心機能が麻痺する危機が起こっても、地下防空壕やサイバーセキュリティ対策などで首都機能 が長期に麻痺しないインフラを関東エリアで拡充すれば良い話となる。 日本に住む限りどの都 市、どのエリアでも大地震やサイバー攻撃のリスクは存在する。 日本では震度6の地震は年一 回程度発生、震度7の地震は数年に一回発生している。 むしろ日本中どこで震度7以上の大地 震が起こっても、東京含め日本の都市機能が麻痺しないように家屋やビルの倒壊を防ぐ耐震診断 や耐震補強工事を強力に推進する財政支出の方が大事であり、必要とされるインフラなのである。

例えば、1981年の新耐震以前に建設された旧耐震基準ビルは、都心部に限っても棟数ベー スで1割から2割程度残っており、地方都市ではその割合はさらに増加する。 また、住宅では 全国で推計1割強、7百万戸が古い旧耐震基準のままである。 それらのビルや家屋の耐震診断 を法制化、それに基づく耐震補強工事へ思い切った財政支出を投入、事前対策を断行すれば地震 倒壊による都市機能マヒの大方は防げると考えられている。 建築の専門家によると1970年 代の高度成長期の頃に建設されたビルには川砂不足から海砂が大量に使われ、除塩基準も甘く数 十年の塩害で鉄筋がボロボロの旧耐震ビルもいまだに散見され、半世紀以上も経過して大地震発 生で倒壊以上の各階が次々と圧壊、クラッシュする崩壊の懸念も高まっている。 そこで国主導 で無料耐震診断を推進、耐震診断資格者講習を受講した建築士を大量採用、旧耐震ビルに強制立 ち入り診断をおこない、圧壊、崩壊の危険性の高いビルからの強制立ち退き、耐震補強工事が困 難なビルの立て替え工事の強制化を推進せざるを得ないのであろう。 こうした事前対策に積極 的に財政投入することで、新たに耐震診断サービスの事業が生まれ、耐震補強工事の需要が高ま り、ビル建て替え工事も増えて建築土木産業も成長、GDPの高品質化を推進でき、資金循環が 促され、それが経済の拡大につながっていくのである。

地震対策以外では橋脚や道路、下水道をはじめとするインフラ経年劣化の問題は深刻である。 漏水(ろうすい)による道路陥没事故は、2025年1月に八潮市で起こった大規模陥没事故を契 機に広く全国で知られるようになったが、実は道路の下を走る下水道管の老朽化による道路陥没 事故は、日本全国で年間約9千件(日あたり25件)も発生している。 法定耐用年数50年の 下水道の経年問題がピークを迎え、道路陥没後の交通渋滞、近隣住宅、店舗への補償、人身事故 の賠償を含めると事前対策コストの数十倍、数百倍の復旧コストがかかっており、日本のGDP 低品質化をまねいている。 すでに大方の自治体は壊れてから直す姿勢から壊れる前に予兆を察 知、事前対策をとる姿勢にシフトしているが、一部に対策が遅れている自治体もあるようである。 この動きはGDP高品質化に貢献し、経済拡大につながるので歓迎すべきであるが、問題は十分 な予算が組めず、現場の人手不足もあって、事前対策が進まない自治体もでていることである。 予兆察知の対策は、路面下の空洞を探査する車によるデータ収集とそのデータのAI解析による 陥没予測であり、道路を掘り返さず、古い管の中に新しい樹脂の管を作る工法工事も普及し始め ている。 また、市民に道路陥没が起こる予兆を警鐘、路面の不自然なくぼみやひび割れ、雨の 日の水溜まり、マンホール周辺段差、異臭や排水の悪化に気づいたら各自治体の下水道局や道路 維持課などへ連絡を呼びかける広報も強化されている。 国主導で自治体を支援、予算が足らな いところへは思い切って財政支出をおこなうことで、高品質GDPの発達による経済の拡大、発 展が期待できるのである。

信用創造を促進する財政政策は社会資本への出資を金融支援の核にする政策である

資金循環理論の第5 法則は「信用が高く安心できる社会ほど資金の循環は活発となり経済は拡 大する」というものである。 信用が高く安心できる社会とは、日本のように国民皆(かい)保険 の制度を維持、失業しどん底生活に陥(おちい)っても生活保護制度が充実、困っても人としての 尊厳を保てる最低生活が営める社会を意味する。 そこで国は生活保護制度を拡充、世界的にも 優れた制度を維持するフランスやデンマーク、スウェーデンと比べても遜色がないレベルにまで 制度を拡充してきた。 ただ、その受給資格を受けるための個人資産の要件が厳しすぎ、また、 日本人は世間体を重んじるため親戚に定期的に通知が行く規制のため利用をためらう人が多く、 なかなか制度活用が進まない状態が続いている。 所得が下がって、生活が苦しくなったら、食 事制限をせず気楽に生活水準を維持するための金融支援や生活支援、雇用支援が受けられる新た な制度の設計、導入が求められている。 日本の生活保護の年間予算は4兆円弱、その4分の1 が自治体負担であり、受給者2百万人のうち半数以上が高齢者、4分の1が障がい者で占められ、 全予算の半分が医療費となっている。 逆の見方をすれば、2百万人による生活保護4 兆円予算 のお陰で信用が高く安心できる社会を形成できているとも言える。

保護世帯は限界消費性向が高く、4兆円予算の9割程度の3.5兆円ほどは医療福祉サービス や食生活、衣料、住居賃貸などで消費され、それが新たな資金循環を促し、関連する事業の投資 を刺激して、金融機関からの借入れ資金の需要を生み出し、信用創造を促進させているのである。 まさに金は天下のまわりものであり、4兆円の財政支出は無駄な支出ではなく、様々な資金循環 を促して経済を拡大させている。 特に社会階層の低層部の2百万人で循環する資金は、広く流 通するので、経済効果が高くなる傾向が強い。 逆に社会階層の上層部の数万人で流通する資金 は限定的であり、貯蓄をさらに増やし資金の流れ、資金循環を止める傾向が強い。 生活保護階 層4兆円の経済乗数効果の方が、富裕層4兆円よりはるかに大きいのである。 今後、ヒューマ ノイドロボットの開発普及で工場や店舗サービスなどの省人化、無人化が急速に進み、企業の付 加価値、粗利益の比率が上昇する傾向が強まる。 法人税収入も増加傾向となり、それらの税収 入を省人化、無人化の流れに取り残される社会階層の人たちへベーシックインカムなどの方法で いかに還元させていくかが政策議論の中心になっていくのであろう。

資本主義の進化の過程をみると鉄鋼や工作機械、自動車、携帯通信などの巨額投資が必要な産 業資本や銀行、証券など巨額資金が動く金融資本が国家繁栄の基盤として社会の発展に貢献して きた。 水道、ガス、電気、高速道路、鉄道といったライフラインのインフラ資本、農林水産業、 飲食業、流通業などの生活資本、防衛、防災産業などの安全資本、医療、福祉、教育などの人材 資本の分野も日本を豊かに強くしてきた。 21世紀はこれらの資本を融合する新しい社会資本 の時代が到来すると予測している。 社会資本とは、日本や日本人を豊かに強くする国の富み、 国富の源泉となる産業資本や金融資本、情報資本などを複合的に融合させ、国や自治体、一般個 人も出資できる新たな社会的価値を提供する資本を意味する。 日本経済を大きくするためには、 この社会資本の拡充が何より必要になると考えている。

例えば、子ども食堂は、いまや全国一万か所に近づくぐらい拡大しており、空腹を満たす貧困 家庭対策というより、むしろ地域社会の交流セーフティネット機能として重要視されている。 共働きやひとり親家庭の子どもが増え、小学校の高学年以上になると一人で食事をとる孤食が常 態化、問題視されており、昼は給食、夜は子ども食堂で夕食という生活パターンを繰り返す子供 たちも増えており、深刻な孤食問題への対策として頼りにする自治体も多い。 また、地域の高 齢者のボランティアの場にもなっており、子供の身なりから潜在的な生活苦家庭を早期発見でき る場にもなっている。 三世代同居家族は激減し、50年以上前は全世帯の5割であったが、今 では児童のいる家庭でも全世帯の1割程度となっている。 同居でなく近居を選択する場合もあ るが、9割の世帯は親子だけの生活を余儀なくされ、物価高で生活が苦しくなった共働き家庭に とって大事な利用施設になっている。 こうした子ども食堂を民間企業や自治体、国が社会資本 という新たな出資資金をもちよって運営会社を設立、使わなくなった廃校舎などを活用、食堂だ けでなく、地域コミュニティの場として施設拡充することで信用を高め、安心できる社会を形成 する事業を展開していくのである。

子ども家庭庁の資金支援や農林水産省が備蓄米を供給する動きもあるが、総合的に制度化され ていないため、資金力のある自治体とそうでない自治体との支援サービスの差は大きく、社会資 本の運営会社が地域全体で子供だけでなく、ひとり生活の障害者や高齢者も含め、様々な階層の 人たちの地域交流の場の居場所づくりを推進する総合的な支援も必要になってきている。 共働 き家庭の小学高学年以上の子供たちが子ども家庭庁管轄の学童保育から小4の壁対策で文科省管 轄の放課後子供教室、中学生から地域未来塾を利用するケースもあるが、中学生になると部活や 民間の塾通いなど多彩な選択があり、学習支援や居場所づくりでも、自治体によってアフタース クールの支援対策には大きな差がでている。 中高生になると学校より家や児童館・ユースセン ターなどで、一人で過ごす方が気楽と感じる自立心の強い子供も多い。 要は子供たちの性格や 生活環境にあわせた様々な選択肢をうまく用意するために社会資本の運営会社が中心となって、 総合的なコミュニティ支援サービスを推進する時期にきているといえる。

例えば、食品メーカーと流通企業が連携、消費者庁管轄の消費期限の食材を冷凍、あるいは加 熱すれば、消費期限を延長できるものを厚労省管轄の保健所と連携して特定、食材ロス対策を推 進している農林水産省が主導、消費期限の切れる寸前の食材を社会資本で設立された新会社が優 先的に買取り、その地域の廃校の給食厨房などの冷凍庫や過熱処理釜で加工処理し、廃校舎内に 子ども食堂や大人の交流を図るためのコミュニティ食堂を常設、貧困家庭に限定せず、地域コミ ュニティのための地域食堂として有料提供する支援サービスなども考えられるのである。 食材 買取りや食堂運営の先行投資の費用を地域の金融機関が貸付などで金融支援できる仕組みを導入 すれば、飲食店の少ない地方で地域の人たちが集まるカフェテリア形式の食堂を運営することも 可能となり、新たな資金循環を促す事業を構築できるのである。

一般の中小の事業会社において、障害福祉や医療サービスなどの社会支援事業を手掛ける場合、 投資資金が億単位で大きくなると返済義務のある借り入れより、経営への関与がない優先株のよ うな出資を好むところも多い。 そこで、社会資本制度という新たな制度を設計、遺産相続の際 に社会資本への出資は相続税の対象から除外すれば、金融機関を通じ信託銀行名などで様々な社 会資本の出資が事業会社へ集まることも期待できるのである。 要は社会資本という新たな資金 を社会循環させながら、社会的な課題を解決するための事業運営を推進するのである。 社会資 本が充実することで信用を高め安心できる社会のための事業が活発となり、それが経済の拡大に つながる時代が本格的に到来しようとしている。 ヒューマノイドロボットによる産業資本や金 融資本、情報資本、インフラ資本、生活資本の産業の省人化、無人化が進む中で、人材資本や社 会資本の発展、拡充により、国民はより豊かで安心でき、楽しく過ごせる生活を手に入れる時代 がやって来るのであろう。 資金循環が促されて経済が拡大、国が豊かになることで、多くの日 本人が生きていることが素晴らしいと感じられる日本社会の実現に向け、高市政権には頑張って 頂きたいと願っている。

以 上

〔注〕本記事の著作権は非営利運営の(社)社会資本研究所に帰属します。 本記事の引用、転 載、転記などは自由にご利用いただいて大丈夫です。 複写は、本データのままであれ ば、大丈夫ですが、別データなどへ加工しての複写はご遠慮願います。

〔編集後記〕

高市政権の発足により、明るい希望がもてる時代がやってくると期待できるようになってきた。 何より向こう15年間で官民合わせて推計5百兆円を超える巨額資金が国内産業に投じられよう としており、GDP1000兆円は軽く達成できるのであろう。 若い頃、ある人から日本は神 の国であり、日本人は弱い人を助け、社会に貢献できることに喜びを感じる稀有(けう)な精神を もった人が多く、その魂からつくられるものやサービスは世界中の誰もまねができないのだと聞 かされた時は、疑心暗鬼で少し精神がかっていて、大丈夫かなと感じたものである。 ところが 実業の世界で実際に仕事をしてみるとまさに日本人独特の魂がもしかすると存在するのかも知れ ないと感じた不思議な体験を何度もすることになった。

例えば、あるプロジェクトで日本の金型を海外工場へ持ち込んだが、寸法含め全て一緒なのに うまく金型の商品がつくれない、なぜか原因を知りたいという相談を受けたことがある。 実際 に日本の金型職人を連れていき現場指導をしてもらったが、その職人がやるとなぜかうまくつく れ、現地の人ではどうしてもだめなのである。 ニヤッと笑って、やっぱ魂(たましい)が入って ないと駄目なのかなと聞かされた時は驚いた。 モノづくりは簡単そうに見えて、実は奥深く、 とにかく魂を込めないと良いものがつくれないという話であった。

また、ある人から立派な国際人になるためには、語学よりまず何より立派な日本人にならない と相手の尊敬を得ることはできないと聞かされた時はピンと来なかったが、海外で生活をしてみ てその意味が痛いほど理解できた。 いくら英語でぺらぺらとしゃべってコミュニケーションが できても一目は置かれず、むしろ日本の文化や歴史といったものに詳しいといろいろ話を聞いて くれるのである。 また、日本人というだけで特別扱いを受けた経験が何度もあり、日本人は日 本人らしく自意識過剰なぐらい立派な日本人であり続けようと思った時期もあった。

日本企業が大挙して中国から撤退する動きが強まっている。 密かに帰国する日本人も増えて おり、1980年代から日本より人やモノ、カネを注ぎ、多くの日本人が中国人のため一所懸命 にノウハウを教えてきたが、その中国もいまや大国となって日本から教わる時代は終わり、蜜月 交流の時代からビジネスライクに付き合う時代、さらには断絶の時代へ突入しようとしている。 中国でも日本のような魂のこもった製品づくりやサービスが続けられるのかどうか、難しいので はないかと思える今日この頃である。

合掌

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