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今こそオリンピック開催を歓迎、支持すべきである

令和3年5月12日

社会資本研究所

南 洋史郎

コロナとオリンピックは別次元の問題なのではないだろうか

日本のマスコミを中心として、7月下旬から予定されているオリンピック開催はコロナの感染を深刻化させ、無謀なことだ、変異種のコロナが流行しているこの時期に非常識だと主張するワイドショーのコメンテーターや評論家の意見が絶対的に正しいような雰囲気、世相をつくりだしている。また、菅首相や政権幹部を暗にバッシングする報道も目立ち始めた。悪乗りした米国の老舗新聞が日本のオリンピックを疑問視する記事も紹介されている。

こうした地デジの民放放送のワイドショーを中心とするオールドメディアの論調に対して、ユーチューブを中心とするニューメディアの保守派の論客は、正反対の意見が多く、オリンピック開催とコロナの感染問題は別次元の話だと主張している。議論自体ナンセンスであり、昨年1月に中国の武漢で発生したコロナでオリンピックを1年延期した日本は国家の威信をかけても、オリンピックを開催すべきでないかと主張する方もいる。

賛否が大きく分かれるが、中立的に論理的に考えるとニューメディアの保守系の論客の主張が正しいのではないかと考えている。まず、オリンピック開催はコロナが今より相当にひどく悪化しても、最悪、6月末までに無観客で実施することが決定されている。この時点で、変異種によるコロナ感染拡大の問題とオリンピック開催の問題とは、全く切り離して議論すべき論点(イシュー)になったのではないかと考えている。

テレビ報道では、東京都の医療関係の幹部に、夏のオリンピックで選手がコロナにかかっても、助ける病院や医者、看護師がいない、今はそんな余裕はないと言い切るヒステリックなコメントをされる方もいるようである。連日、医療現場で苦労されている医者や看護師の姿を見て、そのような感情的な高ぶる気持ちになることは仕方ないが、これも、医療現場のマネジメントと国家の威信をかけたビッグプロジェクトのオリンピックとは全く異次元の話ではないかと考えている。

医者は東京や大阪だけにいるのではない。日本は意外と国力がある大きな先進国であり、全国に優秀な医者や看護師はたくさんいる。オリンピック、パラリンピックの期間中、東京へ行って、オリンピックの選手を助けることがお国のためになって、名誉なことであると思う地方の医者や看護師の方々はたくさんいるのではないだろうか。ただ、その前にそんなことになったら、東京は駄目でも、神奈川や千葉、埼玉、茨城の関東圏内の病院の医者や看護師で、これでは恥ずかしい、みっともないと自ら全面協力を申し出るところもでてくるような気がしている。

すでに、オリンピックを他人事のように語る都知事や東京の医療関係者に対して、変な違和感があり、ぜがひでもオリンピックを成功させるという気概、意欲が全く感じられない。都知事のオリンピックは国に任せたような無責任な発言も不可解である。東京のマスコミが特にひどい。一所懸命に足を引っ張る報道を連日おこなっている。金のために止められないとか、裏で高額の給与をもらっている人が止めさせないとか、とにかく聞いていて、気持ちが悪くなるほどドロドロした話をテレビの公の場で、次々と平気で話をする人たちの口害、無神経さにも辟易している。

実際はマスコミの裏事情の方がもっとドロドロしていると思うのだが、自分たちは常に正しく、清廉潔白な立場だと勘違いしているのかも知れない。これでは政治家もなかなか勇気をもって「コロナの問題とオリンピックの開催とは別次元、この時期こそ敢えてオリンピックを開催すべき」という正論を堂々と言えない雰囲気になっているのかもしれない。

菅首相ならマスコミに影響されずオリンピックを開催すると信じる

2025年に万博を開催する大阪からすると、もし万博開催に対して、万一でも東京都知事やマスコミのような白けた他人事のようなコメントを府知事、大阪市長がしようものなら「DOAHO」と大阪人が怒り狂うことが分かっている。逆に東京のマスコミが、どんなに非難、邪魔しても、大阪人のプライドをかけ、府知事や市長は死に物狂いで万博成功を目指すに違いないと信じている。

全く余談になるが、大阪には、少数かも知れないが、今でも豊臣の大阪は徳川の東京に負けたが、今でも大阪が日本経済をリード、引っ張っており、東京で活躍する企業の経営者や人物も元大阪人が多いと主張する隠れ浪速っ子が結構いるのである。彼らは、関西人と京都人や神戸人と一緒になって呼ばれるのを嫌い、酒を飲むと「いくら東京に馬鹿にされても大阪は負けへん!」と気炎を上げる化石人類のような大阪人もいまだに生き残っているのである。

東京や関東にも、地方出身ではなく、何代もその地で活躍する方で、大阪人のような熱い思い、気持ちの人も多いのではないだろうか。マスコミが変な風潮やムードをつくっている中、主張しにくいだろうが、こんな時だからこそ「コロナ問題とオリンピック開催は別次元の問題だ、コロナで世界中がすさんだ気持ちにふさぎ込んでいる今こそ、東京オリンピックを開催すべきだ」と正論を主張する言論人も登場して欲しいものである。

また、マスコミの影響で「ガースー大丈夫?」と偉そうに菅首相をこけおろす人もいるが、個人的には、最近の日米会談やG7外相会議、コロナに対して自分が全責任を負うといった発言など、いろいろな政策対応を見ていると、もしかすると菅首相は、かなり優秀な政治家かも知れないと思うようになってきた。

失礼ながら「人は意外と見かけによらない」ということかも知れない。そういえば、経営者で小柄で風采の上がらない目立たない人で、周囲が驚くほど大胆な経営判断で会社を見事によみがえらせ、再建を成功させたケースをいくつも見てきた。菅首相の最近の言動や行動をみると歴代の政治家の中でも、結構切れものかも知れないという気持ちになっている。

もっと鋭い表情で威圧的な発言をされても良いような気もするが、自信なさそうに弱そうに見せながら、かといって何を言っても動じず、淡々と方針を貫いて、着実に結果を出していく実績追求型の政治スタイルは、日本人の多くは、正しく評価し、文句も言わず黙々とついていくことが多い。つまり、トップはカリスマ性がなく、目立たず、地味でも、着実に論理的に実行する人に対しては、不思議と大きな組織は、ものすごい勢いで文句も言わず、静かに動き始めるのである。

4月の日米会談であの頼りないバイデン政権から「台湾支援」「尖閣防衛」という明確なコミットメントを米国から得ており、G7外相会議でも「ウイグルなどへの中国非難決議」や「台湾防衛」への支持を得ている。訪米中にファイザーのトップと直談判して、驚くべきスピードで大量のワクチンを調達している。憲法9条の改正議論も、ようやくしっかりと動き始めている。尖閣も、いざとなれば、日本側も武器を使用し、的確に対応できるようになった。いずれもすごい政治実績なのだが、ヤッターマンで自分の実績を吹聴する様子は全くない。私利私欲が感じられないのである。

今まで与党の政治家が誰もできなかったことを淡々と実績を上げてきており、何を言われようと着実に実行に移している。ワクチンももっと早く動いていればという気持ちはあるが、あの規制の塊のような医療業界や厚労省を説得し、5月の連休明けより、ワクチンが実際に接種できるようになった。その猛スピードのワクチン接種の推進力、政治力は高く評価できる。目立たないが、ハイリスクの高齢者が菅首相を信じて、慌てもせず、文句も言わず、淡々と接種し始めている。高齢者は、菅首相が案外切れ者と分かっているのかもしれない。驚きである。

おそらく、この調子で、6月も次々と目立たたず、着実に実績を積み上げていき、オリンピックも寂しい無観客のような判断ではなく、ある程度、制限はありながらも、観客を入れて、確実に開催するのであろうと予測している。そして、オリンピックやパラリンピックは、予想に反して、いつもよりは地味だが、結構、盛り上がるのではないかとみている。パラリンピックが終わることには、高齢者には、ほとんどワクチンがいきわたった状態となり、コロナによる医療パニックも消滅するとみている。

経済対策については、未知数のところが多いが、消費税も突然、5%か3%へ引き下げる決断をして、景気を一気に回復させていくような予想をしている。その頃になって、やっと菅首相はなかなかの切れ者という認識、評価が出てくるのであろう。秋の選挙は、親中の公明党や野党は惨敗で、自民の圧勝、憲法の改正へ向かうと予想している。

世界中のコロナで苦しむ人のためにも東京オリンピックが必要では

日本では、すでにプロ野球は、野球場への入場制限はあるが、それでも普通に開催されている。相撲も五月場所は無観客予定だが開催は決まっている。プロサッカーもサッカー場への入場制限はあるが、連日、人々の楽しみのプレーは続いている。条件付きでも日本でプロスポーツが普通に行われ、コロナで疲れた国民の気持ちに明るい光を与え、心を癒す絶大なる効果をもたらしているのである。

米国エンジェルスの大谷選手の活躍が、どれだけ日本人の心に勇気と感動を与えているか、サッカーのスーパースターのイニエスタ選手が神戸で引き続き活躍する報道にどれだけのサッカーファンが喜んでいるか、地デジの賢明なマスコミの皆さんで、スポーツの人々に与える絶大なる精神面の良い効果を否定する人は、誰もいないだろう。

日本、日本人に関係したスポーツでも、このように盛り上がるのである。オリンピックのスポーツの祭典が、盛り上がらない訳はない。7月から8月の東京のオリパラが終わるころには、日本経済や日本社会は、ようやくポストコロナでコロナを克服し、普通の生活に戻れる自信を回復しているのではないだろうか。ようやく長い間、会えなかった祖父母と孫が再会、家族みんなで温泉旅行に行く生活シーンがみられるのではないかと期待している。

オリンピックこそ、人々の気持ちを明るくさせる起爆剤であり、このコロナの時期にこそ復興の象徴として必要不可欠である。それは日本人だけの問題ではなく、世界中の人たちへ明日への希望の光を与えるものである。世界の人々のためにも、今こそ勇気をもって、オリンピックをしっかり開催して、オリンピックを歓迎、支持しようではないか。

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