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コロナは入院率と致死率を基準に有観客のオリンピックにすべき

令和3年7月16日

社会資本研究所

南 洋史郎

統計数字から東京の緊急事態宣言は全く不要で即刻撤回すべきである

昨年、日本社会を根底から変えることになった中国の武漢を発症源とする新型コロナウイルスは、生物兵器の噂もあり、感染後に急に容態が悪化するという怖さから、効果のあるワクチンや治療薬もなく、日本国内はパニックとなった。その時、この厄介な病原体への有効な対策がわからず、手探り状態で、政治家や医療専門家の誰もが、わからないことだらけの中で、未知のウイルスへの対策に頭を抱えることになった。
その厳しい状況で、「三密」など日本独自の感染対策に努力をされたコロナ対策の専門家や医療従事者、首相や知事、政治家の方々の献身的な努力に、われわれ国民は、感謝の気持ちを忘れてはいけない。

ただ、昨年3月に成立した新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づき、4月に発出された緊急事態宣言は、その後、東京で3回も発出されたにもかかわらず、感染者数について、増えたり、減ったり、目立った抑制効果が無かったのである。さらに東京では、マスコミが相変わらず、7月に千人近くの感染者が出たと大騒ぎし、菅首相判断で、予防的な処置で、12日から4回目が発令されたが、人流も減る気配はなく、大方の都民が、緊急事態宣言の効果に疑問を感じ、在宅を厳格に守って、遵守する気配すら薄れてきているのである。

つまり、大方の都民は賢いので、どんなに小池都知事が騒ぎ、菅首相が躍らされて、内心ではそんな首相が発する「緊急事態宣言が変、理解不能」と思っても、口にして反発せず、辛抱強く、沈黙を守りながら、理屈で考えたら、そんな必要は無いとわかっているので、人流が減ることはなく、飲食店も酒を提供し、通常通り営業しても問題がないと主張しているである。それより、コロナ騒動で傷ついた自分たちの現実の仕事や生活、事業の立て直しの方が、切迫した問題であり、皆さん生きていくのに必死なのである。

基本的な統計数字をみるとこうした賢明な都民や飲食業の方の感覚は正しいと言える。日本の7月15日までの累計の新型コロナの感染者数は83万人で、その96%弱が完治している。それも多くが自宅療養で、地元の医者の往診はほとんどなく、電話応対だけで、風邪薬などを買って飲み、睡眠をとって、パルスオキシメーターで血中酸素濃度をチェックしながら、ひたすら、体力の回復をおこなって、治癒するケースが多いのである。

それでも入院した人は2万人(重症患者含む)、死亡者は1.5万人で、感染者のうち入院率は2.4%、すなわち感染者42人に1人が入院し、死亡率が1.8%、感染者55人に1人が死亡する病気が新型コロナということになる。そして、その8~9割以上が70歳以上の高齢者、残りが60代、50代となっている。つまり日本の人口を分母にすると新型コロナに感染する確率は0.7%弱、さらに入院する確率は0.02%弱、死亡する確率は0.01%強となる。しかも、8~9割以上は70歳以上であり、40歳以下の若い世代が感染して入院、死亡する確率は、実質、かなり低く、皆無に近い。

すでに65歳以上の高齢者へのワクチンの接種が、日本全体で1回目が85%、2回目が50%に達しており、5割以上で集団免疫の効果が顕著になるので、若い人の感染者数が増えても、すでに入院して死亡する65歳以上の高齢者が、ほとんど新型コロナへのワクチン接種により抵抗力をつけ、入院率、致死率は、変異種の問題が起こったとしても、今後、急速に減少することが見込まれている。

東京の場合は、感染者数の累計が18.3万人で、そのうち95%強が完治している。入院率は3.5%で致死率は1.2%、全国平均と比べて入院率は高く、致死率は2/3程度で低くなっており、やはりその大半が65歳以上の高齢者となっている。
以上の統計数字から、次のことが主張できる状況となっている。

(1)変異種を含め、新型コロナの感染者数が増えても、大方は40代以下の若い年齢層 であり、高齢者の感染者数は、ワクチン効果で激減していくので、入院率、致死率は、 急速に低下、すでにオリンピック開催前に新型コロナの感染そのものを恐れなくて良 い状況となっている。

(2) 東京は全国平均と比べても、今でも入院率が高く、致死率が低い恵まれた状況にあ り、その入院率、致死率も、高齢者へのワクチン接種の普及でさらに激減すると予測 できるので、予防的であっても、緊急事態宣言は不要である。

感染者数にこだわるテレビの偏向報道は放送法4条に抵触する恐れ

昨年からNHKや朝ワイドショーなどTVメディア等で、連日、コロナが異常に怖い、 恐ろしい伝染病であるという偏向報道が展開され、確かにハイリスクの基礎疾患のある高 齢者や中高年の方が、重症化した場合、恐ろしい病気であることは間違いない事実である。  感染者が増えるとそれに比例して、重症化する患者も増えるので、感染者数が多い、少な い、第〇波が来る、来ないということに視聴者、特に高齢者が敏感になり、視聴率も高めに できるので、TVメディアもさかんに感染者数の報道に熱を入れる状況が続いてきた。

7月16日の段階でも、朝の日本のテレビメディア各局の報道は、無観客は当然という偏 向報道が多く、15日のバッハ会長の有観客を検討して欲しいというオリンピック会長と して当然のコメントに対しても、テレビ朝日のコメンテーターで有名な元プロ野球選手が、 何を言っているのだ、無観客は当然だという威圧的な発言をされていた。元アスリート、 しかも有名なプロ野球選手の息子さんが、無観客が正しいと主張するとはかなり驚きであ ったが、ぜひその理由を知りたいところである。

テレビメディアの報道姿勢は、以前より大きな疑問を持ってきた。オリンピック中止の意 見が主張され続け、実施が決定されたら、今度は無観客にするべきと主張し始める始末で、視聴者の側に立つとその根拠が全くわからず、首をかしげるばかりなのである。

放送法4条では、放送番組の編集にあたっては、(1)公安及び善良な風俗を害しないこと、(2)政治的に公平であること、(3)報道は事実をまげないですること、(4)意見が対立している問題は、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすることを定めている。
例えば、テレビ朝日の番組が、無観客を主張するのは、言論の自由と思うが、いつも(3)や(4)といった側面で、主張が一方的で、かなり偏りがあるような気がするのである。

実は昨年より、TVメディアでは、一貫して感染者数を問題にしてきた。感染された人 が悪いような報道に終始し、その報道で感染者を差別する言動のコメンテーターがおられ、かなり傷ついたという話も聞く。感染者数だけ問題にして、感染者を暗にバッシングする報道は、感染した児童への学校差別、いじめを助長する問題にまで発展する。実際、コロナ陽性を知った若いお母さんが、息子の学校でのいじめを気にして自殺されるという深刻な問題まで起こっている。

おそらく、各都道府県の知事や政権与党の自民党などの政治家もマスコミへの機嫌取り で、あまり深く考えずに、安易に緊急事態宣言を発出してきたのであろう。専門家の責任者も、感染者数が多くならないように人流を抑えるべきだ、飲食業の営業は夜8時まで、酒の提供は7時までといった、およそ、その根拠を聞かれても、営業時間を長くすると感染者数が増えるからと、これまたマスコミ受けが良いような優等生のような感染者数を云々する答えが返ってくるのである。

飲食業の経営者の多くは、数字に強く、頭の良い人が多い。日々生きるか死ぬかの厳しい店舗経営をする中、今まで述べたような感染者数が、仮に増えても、入院率、致死率は高齢者が大方であり、ワクチン接種で、今後、それがさらに低くなっていく予測ぐらいはできるであろう。つまり、コロナの専門家と称する偉い方や都知事、首相が、感染者が増えるから「大変!」といくら騒いでも、決してお上に対して反発して、口にはしないだろうが、「皆さんの精神状態は大丈夫かな?」と心の中では叫んでいるかもしれない。

今まで述べたような簡単な統計分析は、高校生でもできる初歩的なものであり、ワクチン接種が5月に始まった時点で、議論すべきテーマが感染者数でなく、日本人の入院確率、死亡確率を議論するフェーズへ移っており、おそらく、この新型コロナに感染しても、普通の風邪、あるいはインフルエンザのレベルで、治療を進めても、パルスオキシメーターのチェックは欠かせないが、それほど恐れるものではないのではないかという見方をしている。
つまり、今後は感染者数だけを云々し、第〇波を過度に恐れることも必要なくなったのではないかと考えている。あとは入院率、致死率、その年齢層が重要なチェックポイントになると考える。

新型コロナ共存の時代となりオリンピックも有観客にすべきである

新型コロナは、エボラや結核のような宿主である人の命を奪って、自分たちも滅びる隔離 すべき怖い伝染病ではない。今年の5月にワクチンがでてくる前は、インフルエンザのように65歳以上の高齢者で基礎疾患のある体力が衰えた人には、感染後に高い致死率となる怖い病気と思われていた。しかし、ワクチンのお陰で、それも心配が少なくなってきたのである。武漢で人工的に生み出されたかも知れない新型コロナは、最初は毒性が強いところもあったが、徐々に少なくなりつつあるという見方をする専門家もでてきている。

感染した人の95%が完治し、新型コロナと共存する時代になったと割り切り、ワクチン接種のお陰で、さらに高齢者が8~9割を占める致死率が激減することで、新型コロナの重症化へ万全の準備さえ怠らなければ、過度に恐れる必要がなくなってきたと考えるべきなのではないかと思う。

従って、TVメディアが主張しているような東京オリンピックを無観客にする必要性は全く無く、むしろ入場制限を撤廃し、観客を一杯にしても、過度に感染者を恐れる状況にはなっていないと言えるのではないだろうか。

今後、さらに40代以下の若い世代もワクチン接種を推進しようとしており、さらに新型コロナの感染者数そのものが激減していく予測となっている。米国や英国と同じように今年の秋ごろには、日本もマスクの解除宣言をおこなえる可能性もでてきているのである。

新型コロナを日々の感染者数で、騒ぎ続けるマスコミが存在するなら、それは統計的な事実を歪曲し、やたら新型コロナの恐ろしさのみ視聴者へ洗脳する悪質な報道であり、すでにそれによる過去の弊害や自殺者、いじめも深刻であり、政府は放送法4条に照らして、行政処分も検討すべき時期に来ているのではないかと考えている。もしオリンピックが無観客になれば、その責任の所在も明らかにしないといけない。

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