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自民党の総裁選で高市候補に日本人が感じること

令和3年9月22日

社会資本研究所

南 洋史郎

神の国日本では日本人はどのような生き方、生活スタイルを好むのか

日本は、正真正銘、神の国であると思う。世界でも、特定の宗教的な経典や教義もないのに、漠然と神の存在を信じる人が多く、その精神への影響が強い国は先進国では珍しい。もちろん、東南アジアなど、日本と似た土地柄の地域もあるが、土着的なエリアが多く、先進国とは言い難い。赤ちゃんが生まれると、お七夜やお宮参り、少し大きくなるとお食い初めなど、いずれも神道の宗教的な背景があるのだが、そんなことは意識せず、いつの間にか周囲からのアドバイスを受け、自然にその風習を受け入れる。逆に人が亡くなるとやにわに先祖の仏教の宗派に帰依し、葬儀から位牌や戒名の準備、初七日や四十九日の法要などをおこなう人が多い。仏教以外の神道でも同じであり、いずれにせよ生死の儀式に関しては、海外から見ると、かなり宗教的である。

ただ、普段から特定の宗教に凝り固まって生きている訳ではない。特定の宗教を超えた漠然とした神のような存在を感じながら、生活をする人たちが多い国なのである。だから、日本では、何をしても、なにか目に見えない神がかったものが見守っていると意識する人が多い。悪事なら、いつかは、厳しい罰を加えられ、善事なら、良い報いが与えられるという意識を持つ人が多く、人のことをあれこれ言わず、慎み深く、謙虚に自制的に生きる生活スタイルを好むのである。

少し神経過敏で心配しすぎるところは気になるが、一般の日本人の精神的、知的な生活行動の対処能力は非常に高く、特に厄災が起こった時に、発揮するパワーには尊敬の念すら感じることもある。現実に起こっていることを、逃げずに受け入れ、直感的に各自が正しいと理解したことをリーダーがああしろ、こうしろと命じなくても、学歴が高い低いとは無関係に、漠然と神の存在を感じながら、知的な水準やモラルが高いので、黙々と行動を改め、対処できる人が多い国そのものが世界的に見て、希少な存在なのである。

日本は八百万の神に守られ、どこでも神が宿り、お天道様には嘘は言えないと、心底、信じている人が多い。逆に怒りの神様も存在する。地震や疫病などの災厄を招くこともあり、昔の映画で「大魔神」が流行ったのも、そうした信仰の背景があったとも言われている。ウイキペディアで「日本の神の一覧」をみれば、その数の多さに驚く。

天満宮は平安時代の実在の人物の菅原道真を奉り、お稲荷さんなどの動物霊や龍神など様々なものを奉る神社があり実に多彩である。これだけ、至る所に神様が存在していると意識したら、なかなか悪いことはできない。東日本大震災で被災した金庫が手つかずのまま放置され、災害で破損した家への盗難はほとんどない、盗難などの悪さより、神様から受ける罰の方が、ずっと怖いからである。実際ありえないことが次々と起こることがあるので、神の祟り(たたり)は実在すると信じる人も多い。
激怒したら「この罰当たり」、最悪のことが起こると「神も仏もあったものか」など神の存在を信じてなければ発しない日本語も多い。

日常の仕事や生活でも、人と人とのめぐり逢いは、全て目に見えない神様による「ご縁」の世界となっている。採用面接で最後に「ご縁があればよろしく」というセリフをいう人がいる。君は能力が無いから、この会社に向かないから不採用なんて言うと傷つくが、不採用になっても、ご縁がなかったと思えば、不思議と皆納得するからだ。

政治家に対して、結構、主張強く手厳しい評価をする日本人が多い

ただ、政治家に対しては、ご縁で政治をしてもらっていると思う人はほとんどいない。全員選挙で、われわれ日本人が自らの判断で選んでいるからだ。そこに、神は介在せず、日本人自らの判断で政党や候補を選択したので、普段は政治家の言動や行動をそれとなく受け入れるが、それが酷(ひど)い場合、本音は言わず、表向きはすました顔で、選挙の時にきっちりと自分の判断を1票に託するのである。政治に失望した場合、棄権し、わざと支持する政党以外を選ぶことで静かに怒りをぶつけることもある。選挙は、サイレント·マジョリティの国民の本音を知る貴重な機会なのである。

その静かな怒りを選挙でぶつける日本人が、昨年春からのコロナ感染対策で自由民主党の政権に厳しい評価をし始めている。昨年春から今年9月のコロナ対策やオリパラへの対応、理解不能な感染の専門家と称するリーダーたちの主張に振り回される安倍政権や菅政権の姿を見て、内閣支持率は大きく落ち込んできた。

NHKの調査では、安倍内閣は、昨年2月から4月は支持率が若干上回ったが、5月から8月は不支持が12%を超え、退任前の支持率は34%まで下がった。9月に安倍首相が退任、菅首相に交代すると期待を込めて、支持率が6割へと急上昇した。
ところが、10月から12月の3ヵ月で急減、1月に不支持と支持がともに4割となり、3月から4月にかけ、ワクチン接種への期待から、支持が不支持を6%上回ったが、5月以降に不支持が8%以上も上回り、直近の8月では不支持が23%も上回り、支持率は29%まで落ち込んだ。そして、今度も安倍首相と同様に菅首相の9月末の退任表明後に支持率は5割まで急上昇した。つまり、今の政権に国民の怒りが支持率に現れ、首相が退任する時に支持率が上がるのは、自民党政権は歓迎するが、コロナ対策などいくつかの政策が気に食わず、何とかして欲しいという国民の意思表示の表れなのである。

自民党は国民の不満を解決できる首相を選択しないと愛想を尽かされる

今までの2人の首相の政策に国民がNOを突き付けた以上、その反省を踏まえ、今度の自民党の総裁選こそ、大袈裟かも知れないが、全国百万の党員と国会議員にとり、自民党が総選挙でも生き残れるかどうかの最終選択の総裁選になるといった危機意識をもつことが必要になっている。 まず、今までの2人の首相の何に国民は不満を持ってきたのか、私見だが、その要因を分析すると大きく次の2つに分かれると思う。
まず国民は、強いリーダーシップで、コロナ対策を推進、表明する首相を期待している。分科会の会長など周囲の様々な意見は聞くが、自らの見識と判断で、この問題に立ち向かう勇気をもったリーダーが切望されているのである。会見場には、首相以外の専門家など全く不要である。首相だけが、登場し、首相の言葉で、力強く国民へ前向きな希望が見える政策を語って欲しいのである。2人の首相の致命的な欠点は、専門家かどうかも国民が疑わしく思っている分科会の会長をいつまでも会見場に自分のそばに鎮座させること、そのものが責任逃れのようで許せないのである。

まず、今までの2人の首相の何に国民は不満を持ってきたのか、私見だが、その要因を 分析すると大きく次の2つに分かれると思う。 まず国民は、強いリーダーシップで、コロナ対策を推進、表明する首相を期待している。 分科会の会長など周囲の様々な意見は聞くが、自らの見識と判断で、この問題に立ち向か う勇気をもったリーダーが切望されているのである。会見場には、首相以外の専門家など 全く不要である。首相だけが、登場し、首相の言葉で、力強く国民へ前向きな希望が見え る政策を語って欲しいのである。2人の首相の致命的な欠点は、専門家かどうかも国民が 疑わしく思っている分科会の会長をいつまでも会見場に自分のそばに鎮座させること、そ のものが責任逃れのようで許せないのである。

次に今回のコロナ感染の問題の原因をつくった中国共産党に対して、国民は、いかなる首相の弱腰な姿勢も絶対に許さないのである。細菌兵器を開発する途中の過失漏洩の疑いがあり、国家犯罪と噂される人工的に引き起こされたウイルスによるパンデミックは、人類の歴史上、類が無い非道なものである。既に世界中で150万人以上が亡くなり、国内でも1万5千人以上が尊い命を失った。ある専門家は、これは中国共産党による大量殺戮だと主張したが、国民の多くもその意見に同意しているのである。

ただ、日本人は怒りにまかせ、相手を挑発、交戦する馬鹿な国民ではない。隣国のとんでもない挑発的で攻撃的な行為に対して、日本があまりに無防備であり、防衛意識、対策が欠如していたことを猛省しているのである。日本人の多くが、再びそうした予期せぬ無謀な攻撃が中国から行われても、対抗できる十分な防衛手段を準備すべきであるという危機意識に切り替わっているのである。

中国共産党は、こともあろうに細菌兵器由来のパンデミックを引き起こした後、昨年6月に香港を強引に取り込み、次は台湾への武力侵攻まで公言して準備を始めている。7月から核兵器攻撃の恫喝も始めている。すでに国民の意識は、そうした核兵器攻撃もあの中国ならやりかねないと覚悟しており、敵基地攻撃能力は当たり前、ミサイル防衛を含め、徹底した防衛準備が必要不可欠という意識に180度転換しているのである。この国民の防衛意識に対して、今まで2人の首相はある程度頑張ってきたとは思うが、国民から見ると中途半端で物足りないのである。もっと国民へ大胆に呼びかけ、明確な防衛対策を打ち出して欲しいのである。中国だけではない、北朝鮮やロシア、韓国に対しても毅然とした外交姿勢を打ち出して欲しいのである。

自民党総裁選で国民の不満を解決できそうな候補は高市候補以外いない

今まで述べた首相自らがリーダーシップをとって、強力なコロナ対策や経済対策をとり、中国等の隣国への脅威に対抗すると明言している候補は、高市候補以外は見当たらない。残りの3候補は、従来のように防衛対策を明確にせず、曖昧なままであり、その点で国民の不満もさらに大きくなっているのではないだろうか。しかも、最近の自民党党員の電話での世論調査では、河野候補の人気が一番で、高市候補の人気は、岸田候補の次の3番目となっており、この世論調査の結果にも、旧態然とした自民党の体質が透けて見え、国民の怒りが爆発しそうになっているのはないかとみている。その証拠にネット上では、個別の候補批判を飛び越し、自民党そのものへの批判の声が徐々に大きくなってきている。

過去2人の首相退任の反省を踏まえ、自民党そのものが猛省し、自民党自身が今度こそ国民の期待に応える総裁、首相を選定できるかどうかを国民が注意深く見守っているのである。その国民の期待に応える政策を主張している総裁候補は、今のところ、選択肢がなく、残念なことだが、高市候補以外は見当たらない。逆にそうした国民意識を無視し、自民党が再び高市候補以外の候補を選べば、その時点で自民党終焉の始まり、終わりの始まりになるのではないだろうか。その危機意識をどれだけの自民党党員や議員がもっているかを問われる運命の雌雄を決する重要な総裁選となっているのである。

評論家の中には、誰がなっても同じという無責任なコメントをする人もいるが、それは間違いである。高市候補以外が総裁になれば、日本の将来は暗澹(あんたん)たるものになるのではないかと予想する。まず10月以降の総選挙は、自民党はなかなか苦戦するのではないかとみている。嘘と思うなら、周囲の身近な政治に関心が無そうな女性の方に意見を聞いてみたら、自民党に対しての国民の怒りが理解できるであろう。

河野さんは怖そうで何でも冷たく言い切り、自己主張が強く、頑固に押しつけるので好きではない、岸田さんは今までの首相のように歯切れが悪く頼りない、野田さんは日本をどう守ろうとしているのかわからない。 高市さんだけ、日本をどう守るかわかり易く言うし、頼りがいがあるが、女性だから、古い頭のお爺ちゃんが多い自民党党員や議員だと、女性差別の意識が強く、選ぶことが出来ないだろうといった本音が聞こえてくるのである。
これ実際に聞いた身近な女性の意見であり、よく観察していると思う。
ただ、もしかすると今度こそ、神の国、日本で奇跡が起こり、神が日本を守ってくれるかも知れない。そうなれば高市候補が選ばれ、自民党が総選挙で圧勝し、日本の防衛も格段に安心できるものとなろう。

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