お問合わせ
06-4708-8655

参議院選挙で自民完敗後の政局を予測する

令和4年2月7日

社会資本研究所

南 洋史郎

7月の参議院選挙は125議席を争い、自公で54議席とれば与党維持

参議院は全部で248議席あり、参議院議員は6年の任期で、3年毎に半数が改選される。前回の選挙は2019年7月21日に投票があり、124議席が改選された。次の選挙は3年後の2022年7月25日に任期満了を迎え、7月10日頃の選挙で調整がすすめられている。神奈川で1名の欠員補充が必要となり、今回は125議席が改選される。参議院議員は、都道府県選挙区は2県1人区が2つあり、全国で45の選挙区で、議席数は148となる。比例選挙区の議席数は100なので、足して248議席となる。7月は欠員補充を含め、その半数の45選挙区で75議席、比例選挙区で50議席が改選される。

政党別の現在の議席数と今度の改選数は、与党は自民110・改選53、公明28・改選14となり、現在は自公で138の過半数を維持しており、そのうち71議席が非改選のため、次の7月で67議席を獲得できれば、現状の138議席を維持できる。与党を維持するために必要な過半数の最低ラインの125議席を獲得するためには、54議席を獲得すれば良い。選挙に強い公明党が手堅く改選前と同じ14議席を確保すると仮定すれば、自民党の最低ラインは40議席となり、今より13議席を減らしても、ギリギリ過半数を維持できる計算となる。詳しくは参考表1に整理したのでご覧いただきたい。

表1のとおり、野党とその他で110議席のうち、立憲&社民45・改選27、国民民主12・改選6、維新15・改選8、共産13・改選6、その他25・改選13となり、野党とその他で非改選が53、改選が57の議席となる。仮に野党とその他の改選で73議席を確保できたとしても、123議席となり、過半数にとどかない。公明が現状維持できると仮定すると、自民40議席、野党その他の70議席超えの攻防となる見込みである。

岸田政権がかなり不人気となり、13議席以上を減らし、40議席を割り込むか、公明党が改選議席数14を減らすことが無い限り、参議院選挙で与党が過半数をわって完敗することは現段階では支持率が高いので考えにくい。ただ、何かの原因で、自民や公明が、今より大きく票を落とす地殻変動が起これば、7月に自民と公明が完敗し、参議院で与党から脱落するシナリオも考えられるのである。

ネットだけでなく、マスコミでも岸田政権の批判が巻き起こり、内閣支持率の不支持が支持を上回り、公明党の親中路線が非難されれば、その地殻変動の可能性は高いとみている。維新と国民民主の保守路線が評価され、岸田内閣の支持率が急減し、自民や公明、立憲民主の票が想定以上に下がり、維新と国民民主が議席数を積み増し、台風の目となる新たな政党の参政党が登場し、自公が与党から脱落するシナリオも考えられるのである。

残り5か月余りでどんな要因で内閣支持率が急減する可能性があるか

        

3年前の前回の参議院選挙の直前の2019年6月の自民党の安倍内閣の支持率は、NHK調査では、支持48%、不支持32%で、その3か月前の3月から当時の安倍政権の支持率が6ポイントも上昇した。長期政権の安倍首相でも、モリカケなどマスコミのバッシングの影響で、政権支持率は、低迷したままで推移したが、2019年3月下旬に初の100兆円を超える積極財政の予算が可決され、勢いがついた感じで、内閣支持率が上昇、安倍政権は、見事に7月の参議院選挙で与党の議席維持を勝ち取った。

今年の通常国会は、1月17日からスタートし、6月15日に閉幕予定であるが、岸田首相の内閣支持率は、NHKが支持57%、不支持20%、共同通信が支持56%、不支持25%で高い支持率を維持している。1月の選挙ドットコムリサーチは、ネット調査では支持24%、不支持30%であるが、電話調査だと支持49%、不支持18%となり、結果が逆転している。ネット調査は40歳代以下が7割以上で不支持が支持を上回り、電話調査は50歳以上が7割以上で支持が多くなっている。岸田政権は若い保守に敬遠され、中高年のリベラルに好かれる傾向が強く、中高年のリベラルに支持されるトレンドが明確となっている。岸田政権は40歳代以下の若い保守層には不人気な政権ではないかと思う。

2月以降も、ネット言論界は辛辣な政権批判が続く見込みである。今までほとんどバッシングがなかった地上波のマスコミも、オミクロン対策や経済対策の批判が厳しくなっていけば、ネットの影響を受けない高齢者層も不支持が増える見込みである。残り5か月余り、全く勝手な個人の予測分析になるが、選挙結果に大きく影響する内閣支持率が、どんな要因で急減する可能性があるか、分析してその要因を探ってみた。すると大きく4つの支持率急減のファクターがみつかった。これらの要因に一つ一つ丁寧に対処していけば、議席数の大幅な減少は避けられるのではないかとみているが、これが結構難しい。

4つの急減ファクターとは、第一要因が3回目のワクチン接種遅延など「コロナ対策の遅れ」、第二要因がガソリンのトリガー条項無視などの「稚拙な不況対策」、第三要因、これがもっとも大きな問題であるが、アベノミクスを否定する「積極財政への不安と増税等の緊縮財政の懸念」、第四要因、これも評価できない大きな問題であるが、中国、韓国への弱腰姿勢、憲法9条改正見送り、中途半端な経済安全保障などの「弱腰外交への怒りと国防への不安」となる。  

岸田政権にとって厳しいのは、これら4つの急減ファクターのどれ1つでもクローズアップされれば、参議院選挙の票を大きく落とし惨敗どころか、完敗の可能性が高い厳しい状況が続くことである。つまり、保守層の反乱による参議院選挙の完敗は、ほぼ7割以上の確率で起こる厳しい現実的な予測となっている。何しろ中国と密接なつながりがあり、米国から警戒されている日中友好議連会長の林外務大臣を起用、佐渡金山では、不必要な世界遺産登録の首相の躊躇で、政府関係者にかなり混乱が生じたのである。ウイグル人権侵害の非難決議の文言が、首相の公明党などへの忖度(そんたく)で大きくトーンダウンし、その他のコロナ入国検査など小さな判断ミスもいくつかあった。

すでに岸田政権は、保守層の票離れをまねいており、マイナスからのスタートとなっている。1月までは、マスコミや多くの国民に知られず、支持率は高めに推移できた。ところが、2月以降は、こうしたマイナス部分はネット報道だけでなく、新聞などのマスコミで徐々に知られており、内閣支持率がジワジワと減少している。3月から4月以降はどこも50%を切り、一部で不支持が40%を超えるところもでてくると予測している。

第一要因の「コロナ対策の遅れ」の解決策は3回目ワクチンと5類分類

          

何よりオミクロンへの政府のコロナ対策、具体的には3回目のワクチン接種への対応が鍵となる。都市部で連日1万人を超す感染者がでており、なかなか収束しない。診療所やクリニックを中心とした自宅療養の方針を明確にしたお陰で、重症化率、致死率は低いが、中等、重症の患者の入院による病院の病床占有率は、東京が5割、大阪が2割に抑制でき、今のところ医療崩壊への懸念は大きくない。

12月に認可された服用薬などのお陰で、オミクロンの致死率は、高齢者に限定してもワクチン接種をした場合、インフルエンザ並みかそれ以下である。昨年7~9月のデルタの第5波と比較し、今年1月のオミクロンの第6波の場合、限定した地域での限られたサンプル分析であるが、60歳以上の重症化率は5%から1%強に1/3以上に低下、60歳未満も0.6%から0.04%と1/15となった。致死率も60歳以上は2.5%から0.1%と1/25に低下、60歳未満は0.1%が0となった。ワクチン接種を受けていない場合、60歳以上のオミクロンの重症化率は5%となり、接種歴のある人と比べて大幅に高くなっている。

そこで、国民の不安を解消するため、ハイリスクな高齢者を対象に3回目のワクチン接種をどこまで円滑にできるかが勝負となっている。菅政権で実現させた日当たり百万人接種のような組織運営は難しいかも知れないが、2月から4月の3ヶ月間で国民の7割前後の3回目のワクチン接種が進めば、逆に政権への信頼が高まると考えている。そのあたりの対策がおろそかになると支持率が急減する可能性がある。すでにハイリスクな高齢者への3回目のワクチン接種が2月以降で遅すぎるという不満が大きくなっている。もう1か月か2か月、早くできなかったのかと岸田政権への不満が高くなっている。

すでに東京や名古屋、大阪で実施されているまん延防止に対する国民の不満は大きく、オミクロンが急速に広がっても、高齢者のワクチン接種が普及すれば、インフルエンザ並みの病気のため、それほど恐れる必要はないという専門家の意見もある。もう行動規制をする緊急事態宣言はコリゴリというのが国民の意識、気持ちである。条件付きで5類へ分類すべきだという意見も強くなっている。ただ、相変わらず、何もしない無策状態が続いており、コロナ対策への評価は低く、それが支持率へも大きく影響していくとみている。

第二要因の「稚拙な不況対策」を岸田政権は克服できないと予想される

          

岸田首相は、介護分野などへ思い切った賃金アップを約束し、業界の関係者の期待も大きかった。ところが、2月以降に給与を上げる福祉の施設の処遇改善金の額が、最近公表されたが、期待に反して低すぎるという不満の声がでている。また、数か月間で35円以上も急上昇し、170円前後に値上がったガソリン価格の補助金による値下げも数円程度で焼け石に水という不満の声も大きい。これでは首相の名前はキシダでなく、「ケチダ」へ変えた方が良いという厳しい意見がでるほど、期待に反し低すぎる賃上げやガソリン補助に怒りの声が大きくなっている。

財務省の言いなりなので、稚拙な不況対策が続くという岸田政権への悪い風評を変えるためには、ガソリン価格を大きく下げるトリガー条項の凍結を撤廃するだけで良いのだが、おそらく財務省の緊縮財政派がもっとも嫌う政策なので、導入されることはないであろう。このトリガー条項を知らない国民も多く、もしその法律の中身を知ったら、多くの国民が、なぜこのような社会に役立つ法律を実行しないのか、岸田政権に対しての不信感がさらに強くなり、支持率も急落すると考えている。

トリガー条項とは、レギュラーガソリン1リッターの価格が3ヶ月連続して160円を超えた場合、翌月からガソリン税の約25円の課税を停止し、その分だけ価格を下げるというものである。すでに3ヵ月以上にわたり160円を超え、170円まで値が上がっているので、この条項を適用すれば、25円も安くなり、リッター145円になるという画期的な法案である。

ところが、2010年4月に成立したこの条項の凍結を2011年に決め、それから11年間も凍結されたままの悪質な国民騙しの法律となっている。内閣で条項凍結の撤回を決めれば、即実施できるのだが、財務省が反対するのか、未だに実行されていない。これを広く国民が知れば、何をしているのだ、首相は財務省のポチか、ふざけるなと怒り狂うのは必定である。石油の値段高騰がいつまで続くか読めないことを理由にしているが、親日で石油産出国のインドネシアやブルネイなどと新規の油田開発や増産の交渉をしたとは聞かない。アジアは総じて、欧米の幼稚で馬鹿な自然エネルギー崇拝、化石燃料を攻撃する被害者となっており、日本がその変な呪縛を解いてあげることも大事な国際貢献なのである。

安倍政権や菅政権なら、コロナ対策で輸送需要に対応できず、人手不足と経費増で苦しんできた運送業界を助けるため、躊躇なくトリガー条項の凍結を解除していたとみている。岸田政権は財務省の緊縮派の強い影響で、わずかな補助金でごまかし、いつまでもトリガー条項を発動しないと思われているので、おそらく2月から6月とガソリン価格が下がる見込みもなく、不支持率を高める要因になると予測している。トリガー条項の存在そのものが、不況対策に対して岸田政権の無策の象徴となり、存在が知られれば知られるほど、強力な参議院選挙におけるネガティブ・キャンペーンになっていくと考えている。

第三要因の「積極財政への不安と増税等の緊縮財政の懸念」は一番深刻

東証1部の時価総額が、昨年9月に780兆円まで増加したが、1月27日に680兆円まで株価を下げ、1日の下げ幅としてリーマンショックを越え、100兆円の株式価値が消失した。日経平均は年初来2600円余りも株価を下げ、岸田政権の経済政策に対する株式市場の失望感が大きくなっている。今、株式市場や経済界では、リーマン越えのキシダショックが起こっているのに何も有効な対策を講じない岸田政権へ不信感が強くなっている。

ある中堅の証券会社の幹部が、岸田政権が株式市場のメカニズムを否定し、理解不能な新しい資本主義という言葉で、社会主義的な政策を推し進めていることに、市場が嫌気を感じて、マイナスに反応したと怒りをあらわにしていた。株式で損をした多くの人は、今や第二、第三のキシダショックへの対策が合言葉になっているとも聞く。これは、実はコロナ後の経済回復を狙う政権にとっては、致命的な話で、大変に深刻な問題なのだが、ネットで大騒ぎされるだけで、リベラルな地上波のマスコミはあまり報道せず、ほとんどの国民は株式市場の深刻なクラッシュを知らない。

岸田首相は、この深刻な問題に何も対策を打たず、積極財政で資金投入するという発言も一切ない。財務省の経済界に対する闇の威嚇力で、緊縮路線をひたすら突き進む気構えなのであろう。これでは市場の評価、特に海外の投資家の評価を得ることは期待できない。もしかすると今後、2万円以下まで株価が急落し、リーマンショックを超え、世界の株式市場へ伝播し、大不況をまねくグローバル・キシダショックの可能性も否定できない。

岸田首相は、ノーテンキな経済の基本的な仕組みが分からない経済音痴ではないかという市場の疑念が日に日に強くなっている。来年10年にわたる最長任期を終える日銀の黒田総裁は、次の総裁へバトンタッチする予定だが、長期政権になれば、その人選は岸田首相がすることになっている。首相の今までのキャリアから判断して、親中路線を歩む財務省の深い闇を感じる中、中国の人民元と円とのデジタル通貨交換を推進する頭がおかしい財務官僚を日銀総裁として任命するのではないかという強い懸念が巻き起こっている。

そうなれば、日本経済というより、日本そのものが終焉を迎え、中国の元通貨圏となり、中国は戦わずしてコロナやハニトラなどの超限戦で、日本経済を属国化させるのであろう。岸田政権の怖さは、長期政権になった時、経済を再び民主党政権の時代のように滅茶苦茶にする恐ろしさである。岸田首相が長期政権になった時点で、日本経済がキシダショックどころか、岸田大恐慌のような大不況になる可能性も懸念されるのである。

なにしろ選挙期間中の公約で、増税はしないと言いながら、金融資産課税に言及し、親戚縁者がすべて財務省の緊縮財政派と噂されている。昨年の文芸春秋11月号に異例で非常識な財務省の矢野事務次官の財政破綻論の論文が公表されている。安倍首相や菅首相の時代には考えられなかったことである。保守派にとっては、首相が親中で中国と親しかったと聞くだけで許しがたく、さらにその上に消費税15%の増税を主張する財務省の緊縮財政派とも密接な交流をしているという噂を聞くと相当に頭にくるのである。

すでに岸田首相が活躍する自民党を一切応援したくないというのが、保守派の本音と言われている。最近、矢野事務次官が頻繁に官邸に出入りしているとも聞く。岸田首相は、国民を騙し続け、7月の選挙勝利後の長期政権で本丸の消費税15%を画策するのではないかと疑われても仕方がないところがある。こうした疑心暗鬼を払拭するためには、選挙前に岸田首相自ら、在任期間中、増税は一切しない、日銀人事も異例だが安心できる黒田さんに続投をお願いする、さらに積極財政を強力に推進する、3月に成立した積極財政の予算を見てくれなど保守派の不安を一掃する力強い発言が必要である。

だが、おそらく岸田首相のご性格ならダンマリを決め込み、何も言わず隠し続け、その時の情勢を見て自分で勝手に判断するのであろう。心の中に国民の偏差値は低いというおごりがあるのかも知れない。日本人はそれほど頭が悪くはないし、むしろ日本はどの国より頭の良い優れた人の割合が多い国だと思っている。ネットで騒がれているが、地上波のマスコミは財務省の威嚇パワーで言論を抑え込んだので安心と思ったら大間違いである。

無名だった自民党の山田太郎議員のネットの活躍による当選を知ったら、今や選挙を左右するのはネットという考えへ転換できないと選挙ではまず生き残れない。その大事なネットで岸田首相や岸田政権への批判がすでに最高潮に達している。これから5か月間、何か批判材料が見つかれば、やり玉にあがり続けるのである。気の毒に思うが、ネット社会とは、辛辣な裏表のないガラス張りの報道に関心のある人へ瞬時に伝わる恐ろしい世界である。些細なネット情報も、細かく見て、炎上する前に潰していくモグラたたきのような細かな情報工作ができないと政治家として長続きできない難しい時代になったのである。

               

第四要因の「弱腰外交への怒りと国防への不安」は解決への期待は困難

                  

これは、佐渡金山のゴタゴタやウイグルの非難決議、林外相登用に対する厳しいネット批判の原点は、首相や林外相が日中友好議連の会長をしていたという疑念からきている。今後、5か月間、そのキャリアからくる疑念から、様々なことで厳しいネガティブ・キャンペーンが展開され続けると覚悟した方が賢明である。そこで、それらの情報を否定するあらゆる意見や対策の公表はその噂を否定することにつながるので有効である。

例えば、9月の日中友好50周年は、モンゴルやインドなども50周年、70周年があり、特別な国の周年行事を政府として国民の血税を使って祝うことは公平性を欠くので一切しないと公表するのである。そして、周年行事をやるとしたら、政権、官邸とは無関係な政治家や経営者などが自腹を切って、個人対応をしてもらう。現職の議員は 外交上、誤解を受けやすいので、気を付けて欲しいといったメッセージを発すれば、おやおや、首相は親中と思っていたけど意外とやるなと評価が高まるのである。

また、今後、あらゆる弱腰外交はご法度である。3月9日の韓国の大統領選挙では、今までにも増して過激な反日の大統領が選出される可能性が高い。従来の日韓の外交関係はそのまま継続、些細な発言でも火傷(やけど)をしないように注意をする必要がある。どの国にも隷属しない独立した日本を目指し、中国や米国との橋渡し役を考えるのは、首相として立派なことではある。

しかし、憲法9条すら改正できず、改正後に自主防衛を目指すなら、戦術核レベルの核兵器の武装は検討せざるを得ない。ところが、その気は全く無く、日米同盟で米国に守ってもらいながら、いくら偉そうに平和外交をすると主張しても、米国や中国からみたら身の丈(たけ)を知りなさいと諭(さと)されるのがおちである。日本が米国から一方的に守ってもらう国防の立場である限り、国際常識では、それは独立国というより、米国を宗主国として隷属している自治国のような国の扱いということになる。

その証拠に日韓で何か問題があれば、韓国政府は必ず日韓の宗主国的な役割の米国へ日本は悪い奴だと文句を言いに行かれる。それは日本も米国の隷属国家であり、米国のご意向に沿ってちゃんと外交配慮しろよというメッセージでもある。民主党のオバマ大統領は、日本に対して結構失礼な物言いや対応をすることが多かった。当時のライス国務長官は、露骨に日本を嫌い、差別的な態度を示し、日本の政府関係者の怒りをかっている。

その時の副大統領がバイデンであり、そのバイデンが大統領になって、副大統領のカマラ・ハリスはかなり左翼的な反日言動で有名な人物である。米国では支持率が異常に低く、副大統領の任務は全(まっと)うできないであろうという評価になっている。世界平和の観点から、紛争が起きる可能性が高い危険な大統領や副大統領が登場したのである。すでにそのような世界情勢となってきている。

オバマ大統領の時代に習近平主席とハワイで首脳会談を開催したことを思い出す。なんとハワイ以西は中国の覇権領域として、日本も中国にくれないかと言ったのである。中国からみたら、いつまでも米国に守ってもらっている日本は、独立国ではなく米国に隷属する自治国であり、その隷属国家の日本を俺たち中国がもらって、自治国にしても良いじゃないかと考えるのは当然である。日本に好意的で紳士的な共和党ならこんな会話はないが、日本に対しいつも傲慢で高飛車な民主党の政治家に、なにも日米同盟の同盟関係を確認するため、宗主国の米国の大統領へ行って、おうかがいを立てる必要は一切ない。

米国でも人気が無く、不人気な最低の大統領である。就任してから3か月以内で日本の首相が米国へ来てくれない、バイデン大統領は日本にも嫌われる駄目な人だと騒ぐのは米国のマスコミの方である。すでにユニークな在日米大使も赴任されておられ、外交ルートを通じ、こちらからバイデン大統領に会わせて欲しいと懇願することは一切やめる毅然とした態度が無いと日本の見識ある首相として失格である。正直言って、今のバイデン大統領に会っても、言ったことと行動が一致せず、コロコロと変わるので、会う意味は無い。実際の政権運営は、優秀なサリバン首席補佐官やブリンケン国務長官が担っており、彼らと実務的なやり取りができれば、米国との意思疎通はしっかりとれるとみている。

それより、災い転じて福という発想で、今の通常国会の期間中に自民党の質問者より、憲法9条改正と日米同盟に頼らない自主防衛として、戦略核ではなく、敵基地や核ミサイルの地下格納庫など特定地域を瞬時に粉砕でき、空中爆発させて、戦艦などの電子機器を無力化できるEMPを生み出す戦術核を保有する検討を始める方が重要だと考える。半径数キロ以上の水爆などの戦略核の場合、多くの民間人を大量殺戮するため、広島や長崎を経験している日本としては、その保有は道義上も許されない。

数百メートル範囲の戦術核なら、数万発でも保有すれば、ロシアや中国、北朝鮮の戦略核のミサイル基地、格納庫をすべてけん制でき、プルトニウムは十分に保有しており、JAXAのロケット技術は活用できるので、日本でミサイルと一緒に大量生産をすれば、数年で中露の広大な国土を全てカバーできると考える。その時点で、米国との日米同盟は不要になるので、お引き取りいただく方向で交渉してはどうだろうか。もういちいち、非核三原則で米軍にお伺いを立てて、核の傘が機能しているかと確認する必要はないのである。

すでに日本は2020年から2年間で武漢研究所から漏洩したコロナ生物兵器で、自殺者も含めて、数万人以上の犠牲者を出し、あきらかに平和と勘違いする超限戦という戦争の真っただ中で生活し、心理面で大きく苦しんできた。そしてこれからも感染者から犠牲者が増える見込みである。一昨年の米国の大統領選挙で、すでに米国という国そのものが、中露の工作で危険な状態であることは、日本人の大方は理解できた。

憲法9条改正は自衛隊が米国との隷属的な関係を断ち切り、真の独立国家として国防軍を保有し自主独立の精神で生きていくために必要不可欠であり、今の通常国会で発議できなければ、自民党こそヤルヤル詐欺の売国集団とそしりを受けても仕方がない。また、すでに中国資本で日本経済はかなり浸食されているが、日本人は中国の会社の株式や土地を自由に買えないのに、中国人は日本の土地や株式を自由に平気で購入して商慣習まで変えている。

すでに北海道や大阪での建物や土地への中国資本の暗躍はすさまじく、例えば、大阪中心部の賃貸ビルのオーナーが、障害福祉施設の入居を平気で拒否、見学すらできない障害者差別解消法に抵触する違反行為も横行している。原因はいろいろ推察できるが、その一つに日本の法律を知らない中国資本が暗躍しているため、ビルの売買の時にそうした施設の入居を嫌うからという憶測情報まである。大阪は維新の市長になって、こうしたケースが増えたというネット上の噂まであるが、数年前までこんなことはなく、IRへの市民の反対意見も強く、来年4月の市長や府知事などの大阪地方選挙は大波乱とみられている。まずは相互主義の原則に基づき、中国資本が実質的に所有する不動産の固定資産税を、数十倍に引き上げれば、かなり効果はあると思う。

岸田政権が経済安全保障を強化するとマスコミなどへ訴求されているが、土地だけでなく、株式市場も中国資本に一方的に買われている問題を指摘する識者は多い。株式を信託できる銀行などを通じ、中国資本が目立たない形で日本の地方銀行まで購入しているのではないかという疑念も強まっている。こうした具体的で深刻な土地や株式の問題を解決できる法律を立案し施行しない限り、なかなか国民の評価は得られないであろう。

  

岸田政権は急減ファクターを解決できず7月の参議院選挙は自民が完敗

              

衆議院議員の任期は4年、参議院選挙後は3年なので、今年7月の参議院選挙後で与党が大きく勝利すれば、岸田首相は辞任すると言わない限り、さらに最低3年間は政権が続く見込みである。もし首相がその任期の途中で解散、退任しないなら、2025年には4月13日から10月13日まで万博が開かれるが、その年の7月、10月に参議院、衆議院の衆参両選挙がおこなわれるまで、現政権のままとなり、首相の思い通りとなる。

おそらく岸田首相は、消費税増税やプライマリーバランスの緊縮財政路線を強力に推進するであろう。また、中国へも配慮する日銀総裁を選出、憲法9条改正は無くなり、核武装も一切考えず、一方で日米同盟は危機を迎え、米国との疎遠な関係が続き、急速に中国へ近づき、どんなにネット論調で反対意見を述べても、お構いなしに親中政策を推し進めるであろう。ちょうど自民党が過去の民主党の政権のようになって、中国の脅威におびえながら、言われるままに中国や韓国に配慮した気配り外交へ突き進むと予想している。

保守派の若い有権者の中には、岸田政権が継続すれば、緊縮財政の大不況で財政赤字はさらに膨らみ、GDPは減少し、失業者や貧困世帯は増加すると感じている人が多い。キシダショックで、未来の日本経済を心配する有権者が、保守層を中心として、7月の参議院選挙で自民、公明以外の投票を合言葉に大量の票が、維新や国民民主、新しくできた参政党へ流れると予想している。現段階では、7月の選挙結果が外れる可能性は高いが、選挙結果予測として参考表2にとりまとめたので何かの参考にしてもらえれば幸いである。

表2に示す通り、自民は110議席から90議席へ20議席減らし、公明は28議席から22議席へ6議席を減らし、112議席となり、与党から脱落して完敗する。代わりに維新が15議席から35議席へ大幅に議席数を増やして野党第一党となる。逆に立憲民主と社民は45議席から30議席へと議席数を大きく減らす。国民民主は22議席へ10議席増やすとみている。

一番のサプライズとなる台風の目は、参政党と予測している。ネット界では大人気で知名度抜群の武田邦彦先生や元財務官僚だが、緊縮派と対極をなす、高い好感度の松田学先生を二枚看板として、全国で候補を選別、45地方区のすべてに立候補者をたてる計画である。自民の二世、三世の世襲議員の多さや一部の世襲議員の馬鹿ぶりにうんざりしてきた有権者へ気楽に自分たちも選挙にでて、国政へ参加できるメッセージを合言葉に、高学歴で優れた多彩な経験の臭みの無いキャリアをもった人が次々と選挙に参加するであろう。有権者の好感度が高まり、都市部などで善戦して、少なくとも20議席を確保するのではと予測している。つまり、政治の世界も、普通の優れたキャリアをもつ、志の高い人材が、次々と集まる新しい時代へ変化していく良い兆しがみられるのである。

今まで述べてきた4つの急減ファクターを自民党と公明党の連立政権の岸田内閣が短期間で全て解決できるかと言えば、答えはNOである。すでに公明は7月の選挙協力はできないと自民へ伝えており、自民が議席数を大きく落とすことを念頭に自民離れを鮮明にし始めた。他の保守系政党、例えば、維新や国民民主などと自民が組んで、連立与党として選挙に勝てる総裁候補の選出を連立条件として求めてくるであろう。その時に公明は連立与党から外れる可能性が高く、当然ながら、選挙に完敗した岸田政権は、9月の総裁選で総退陣せざるを得ず、おそらくその後任として、派閥の議員をうまく動員し、人気のある高市候補の絞り込み一本化が進み、高市総裁が誕生、第102代の首相に就任する可能性が極めて高い。

※上記文章、PDFファイル、入手、ご希望の方はこちらをクリックしてください!

※表1 現状分析〔参議院議員〕、PDFファイル、入手、ご希望の方はこちらをクリックしてください!

※表2 選挙予測〔参議院議員〕、PDFファイル、入手、ご希望の方はこちらをクリックしてください!

ページトップへ戻る