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LGBT法案が成立すれば岸田政権転覆の政変が起こる

2023年6月8日

社会資本研究所

南 洋史郎

6月の国会閉会前のLGBT法案の自民党の強行採決に国民の怒りが爆発する

今年の1月23日に始まった通常国会は6月21日に閉会しようとしている。そして残り10日余りしかないこの時期に超ド級の問題だらけの政策の話が舞い込んできた。なんと信じられないことにあの岸田首相の直接指示のもとで、自民党執行部が保守派議員の猛反対を押し切って、LGBT法案を無理やり強制的に成立させようとしているらしいのだ。まさに「殿、御乱心をお止めくだされ!」といった様相を呈しているのである。LGBT法案だけは、ネット上で有名な評論家や言論人の多くが反対しており、その声は日増しに高まっているのが実情である。

すでにネット界隈では、岸田首相の強い指導力により自民党執行部が強行採決でLGBT法案を成立させれば、世の中の女性や子供たちがとても困るどころか、性犯罪に巻き込まれる可能性が強まり、日本の国体そのものが失われるという厳しい議論も持ち上がっている。有名な評論家、言論人の猛反対もあり、幾何級数的なスピードでこの問題が炎上、拡散され、短時間で国民の末端にまで浸透し始めているのである。「強行採決すれば、自民党には絶対に投票しない!」という過激なメッセージがネット上で無数に飛び交っており、その拡散力の大きさにあらためてネット情報社会の拡散、炎上の恐ろしさを再認識することになったのである。

特権階級の上流社会ご出身の岸田首相は、我々庶民の生活とあまりにかけ離れた特殊な環境でお育ちになったせいか、時々、我々庶民の常識、感覚では、到底受け入れられない、考えられない想定外の言動や行動をされて、驚かされることが多かった。昨年7月に暗殺というテロ行為で凶弾に倒れた安倍首相を悼む国民が多い中、国葬や49日も経ず、しかも8月15日のお盆前に内閣改造をされて、普通の日本人の感覚と違う政治判断にびっくりしたものである。さらに統一教会問題では、正直言って過剰反応と感じるほど、自民党の仲間議員や大臣へ厳しい対応をされて、4人の大臣を次々と更迭するという決断も理解し難いものであった。昨年12月には、唐突に防衛増強のための増税発言をされて、多くの識者がその言動に驚いている。また、最近の文春砲でも報じられたように官邸で親戚一同が年末に会食のために集まったことに抵抗を感じる人も多い。普通の一般の庶民なら恐れ多くて、そんなところで身内の親戚による会食はできないだろうし、したいとも思わないであろう。また、身内の親戚の人たちが、官邸の公的な神聖な場所でふざけた写真を撮っていた事実にも閉口(へいこう)させられた。

また、今年の4月中旬に首相夫人が米国へ単独渡米されて、バイデン大統領のジル夫人と会われた異例の事態にも驚かされた。ジル夫人と言えば、LGBTなどの左派的な言論活動をされていることで有名である。さらに米国大使館のエマニエル大使が、自民党の幹部と一緒にLGBT法案成立に向けた政治活動に参加したことにも強い違和感をもった国民も多かったのではないだろうか。どうもG7前に米国の民主党政権による岸田首相へのLGBT法案成立への強い働きかけがあり、岸田首相自らがLGBT法案成立に向けて頓珍漢なリーダーシップを発揮し法案成立に動いた形跡がみられるのである。まさに公私混同の唯我独尊的な政治行動であり、いまや自分が自民党の中心人物だと言わんばかりの立ち居振る舞いなのである。それが正しければ、リーダーとしての人望も高まるが、今回のLGBT法案はそれとは真逆の悪法であり、米国の民主党の忠犬ポチと揶揄される政治行動に国民の失望感も大きくなっている。

平成の慶喜となった宮澤首相と類似する岸田首相の読みの甘さと政権基盤の弱さ

一般に日本人は、首相や経営者など偉くなった方々に対して「実るほど頭(こうべ)を垂れる稲穂(いなほ)かな」という謙虚な生き方を期待し、そのようなトップを尊敬してついていく傾向が強い国民である。今回のLGBT法案をめぐる岸田首相の政治主導は、それとは真逆の傲慢さに満ち満ちたものであり、おそらく、LGBT法案を強行採決すれば、岸田政権の転覆をはかる千載一遇のチャンスとばかり、いつ政変が起こってもおかしくないのである。

政権転覆と言えば、30年前の同じ宏池会出身の宮澤首相の内閣が思い出される。当時、江戸時代の徳川家最後の第十五代将軍、慶喜(よしのぶ)に例えて、「平成の慶喜」と陰口を叩(たた)かれたのが宮澤首相であった。当時、第十五代総裁となった宮澤首相は、1991年11月から1993年8月まで政権が続いたが、国民の人気は低く、7月の衆議院選挙で過半数割れを起こす敗北となり、日本新党の細川党首に政権をとられた。これで戦後38年間、与党の座を維持してきた自由民主党は初めて下野することになった。

岸田首相は、自ら衆議院を解散しない限り、政権は安泰だと勘違いしているかも知れないが、当時の宮澤政権より政権基盤は意外と脆弱であると分析している。まずとにかく人望がないと言われている。これは東大閥を自慢し、親しい議員や官僚に偉そうにふるまった宮澤首相も人望はなかったが、それ以上に何を考えているのか皆目理解できず、周囲がやきもきするほど世間常識に欠けた面を持つお殿様タイプという評価もあるようだ。変に片意地なところがあり、側近の言うことを素直に聞かず、困ることも多いらしい。その岸田首相が今もっとも警戒すべきは、岸田政権のやり方に不満を持つ党内の保守派の議員たちである。すでにLGBT法案の自民党内審議では、岸田首相の命を受けた執行部が、民主主義の原則を打ち破って、反対が多数にもかかわらず、強引に執行部一任で自民党案として強行採決をしようとしているのである。

LGBT法案審議で岸田首相が令和の慶喜となり自民党が瓦解する可能性が高い

強行採決のためには、自民党の国会議員に対して党議拘束(とうぎこうそく)の縛りをかけ、LGBT法案を過半数の票数を握る衆議院で可決、さらに公明党と一緒になれば過半数を押さえられる参議院でも可決させて、数日間の短期間で法案を可決させなければならない。果たしてそんなことが可能なのだろうか、答えはNOである。少し機転の利いた賢い首相なら、そんな強引な方法での強行採決は、党内に亀裂が生じ、うまくいかないことぐらいすぐに理解できる。冷静に考えてみて欲しい。いくら中国共産党の独裁政権のように強い党議拘束をかけて厳しく律しても、その縛りを全く無視して棄権し、反対票を投じられたらお仕舞いなのである。

現在、自民党と公明党の国会議員は、衆議院は262名と32名の294名、参議院は120名と27名の147名となっている。法案の可決に必要な過半数は、衆議院議員233名、参議院議員125名であり、自民党から造反組がでるとすれば、衆議院は62名、参議院は23名を超える議員が棄権するか、反対票を投じるしか法案を阻止する方法は無い。当然ながら、保守を中心として、LGBT法案に棄権、反対票を投じても、国民を守るための正義があるのなら、自民党の保守派の議員を中心として、徒党を組んで党議拘束を無視するであろう。

果たして、そんな自民党内のクーデターのような事態は想定されるのか。自民党の執行部は、そんな事態は全く考えられないと読んでいるのであろう。しかし、造反議員がわずか10名でもいたら、それに同調する議員が急増し、その数は一気に増えるのではないかと予想している。
当然ながら、党議拘束すら守らせることができない自民党総裁の岸田首相の責任を糾弾する声が急激に高まる。反対票を投じた議員を中心として、衆議院の解散前に総裁選を要求することも考えられるのである。当然ながら、岸田首相として、そんな要求は受け入れられないので、解散を宣言し、さらに党議拘束を無視した議員全員へ離党を勧告するか、党に残っても公認しないというペナルティを課すかも知れない。

今まではこの罰則が怖くて保守派議員の反乱は起こらなかった。しかし、今回のLGBT法案は、法案そのものの可決阻止が、国民から強い支持を受けられるという確信が持てるような前代未聞の画期的な悪法なのである。そこで課せられるペナルティは選挙における勲章のようなもので、ネット界隈の後押しもあって、当選確率が高まるのである。むしろ、唯々諾々(いいだくだく)と党議拘束に従ってLGBT法案に賛成した議員は、どんなに公認を受け、党から支援があっても、悲惨な落選という選挙結果に終わることが予想されるのである。つまり、LGBT法案を強引に強行採決にまでもっていった岸田首相自らが自民党を破壊し、衆議院を解散しても選挙で過半数がとれず、下野する確率が急に高まるのである。まさに30年前の宮澤首相のように岸田首相自らが「令和の慶喜」となって政権を他の政党へ引き渡す日も刻々と近づいている。

岸田政権の延命と自民党の信頼回復のためLGBT法案取り下げと9条改憲が必要

自民党の保守派を自認する議員の中に大きな党の組織運営にしがみつき、およそ政治家とは言えない、嘘も平気で恥ずかしい言動や行動も平然とするヘタレの悪徳な議員も多いという厳しい意見の評論家や識者もいる。もしもそれが事実なら、今まで予想した自民党内のクーデターは一切起こらず、清々粛々とLGBT法案を審議し、党議拘束に従って、強行採決を断行する可能性は高い。ただ、その場合、自民党そのものの存立基盤が危うくなる最悪の事態も想定されるのである。

つまり、岸田政権の政権支持率が急速に悪化し、20%台から10%台まで落ち込むことも予想される。そうなると岸田首相は政権延命のために衆議院解散をできるだけ先延ばし、今年12月、あるいは来年まで現在の体制を維持しようと躍起になるであろう。それがさらに政権への信頼を失わせる結果となり、来年9月の総裁選まで政権がもたず、早い時期にこのままでは自民党は生き残れない、党内で早く総裁選をおこなうべきという意見が強まる可能性が高い。また、こうしたレイムダック化した政権の維持を許すほど国民は甘くない。LGBT法案を強引に通した後の国民の怒りがさらに増幅されることが想定されるのである。例えば、性自認の男性によるレイプ犯罪の急増が懸念されている。幼児への強引なLGBT教育の押し付けで、幼児の精神不安症の増加も懸念されている。LGBT教育そのものが、幼児虐待だと訴えるケースもでてこよう。一事が万事で、今までの自民党の事なかれ主義の何も行動しない法案成立後の放置状態が続けば、社会問題がさらに深刻化することも予見されるのである。

すでに今回のLGBT法案の強行採決の問題で、岸田政権と自民党に対する保守系有権者の信頼は地に落ちた感がある。岸田政権の延命と自民党の信頼回復のためには、もはやLGBT法案の取り下げと9条改憲しか残された道は無く、さらにリベラル色の強い公明党との連立政権の早期解消も必要不可欠となってこよう。もし今のままで何も決断、行動しない無能な政権が続き、自民党の存在を国民が疎(うと)ましく思い始めたらどうなるか、2025年の衆参両院の選挙で、自民党が議席を大量に失って、日本人の保守化の流れにうまく乗った維新や国民民主、さらに場合によっては参政党の3党が連立、あるいは政策毎の是是非の連携を組み、新たな政権が誕生する可能性が高いと予測している。その後はリベラル、左派化した自民党が政権与党として復活する芽は全くなくなり、何回か政権分裂を繰り返して、社会党のように完全消滅するのではないかと予想している。

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