お問合わせ
06-4708-8655

日本保守党が高額供託金に守られた自民党を変える日が来る

2023年9月18日

社会資本研究所

南 洋史郎

自民党、岸田政権への国民の怒りが日本保守党によるSNSの政治革命を推進する

仮称であった百田新党の正式名称「日本保守党」(略称「保守党」)が公表された。その経緯が面白い。 SNSのエックス(旧ツイッター)に9月1日に登録、10月17日に党名公表の予定であった。 ところが、百田先生がフォロワー20万以上になったら党名公表を約束、わずか13日で達成した。 さらに15日目にはフォロワー政党トップの25万をほこる自民党を抜き去った。一般にフォロワーにはなかなか登録しない。 一度登録したら、次々とツイッターのつぶやきが飛び込んでくる。多くの人が、毎日、意味不明メールの大量受信で困る中、相当に関心が無ければフォロワー登録はしない。 人気の参政党でも10万で推移、それが結党を宣言してわずか半月で25万を超えたのである。

大きな要因として、自民党政治の為体(ていたらく)、岸田政権の駄目ぶりに安倍政権で自民党を応援、支援してきた岩盤保守層による裏切られた、 許せないという怨嗟(えんさ)の怒りが存在すると分析している。その怒りのはけ口として、有名作家の百田尚樹氏が立ち上げた日本保守党を明確な意図、 意思をもって応援し始めたのである。つまり百田先生を見る目が小説家、言論人から保守を取り戻す政治革命の同志に変わったと言っても過言ではない。 その危機意識や意図、意思とは何か。大袈裟な表現になるが、このままでは自分たちが愛する日本という国を「自民党が滅茶苦茶にする」という危機意識がある。 そして利権まみれの驕(おご)り高ぶった「自民党をぶっ壊す」という明確な意図をもって、 「日本を守る真の保守政治を取り戻す」という意思が働き始めたのではないかと分析している。

この保守の岩盤支持層には、経営者や管理者、専門家など相当数の指導者やインテリ層がいるのではないかとみている。 自民党が、彼らを敵に回すと少々厄介な結果をまねくと感じている。つまり、資金力があり、厳しい環境で生き残ったタフな連中も多いと分析している。 そうした人たちは、今の日本は中国やロシアといつ軍事衝突を起こしてもおかしくない危険な状況にあるという共通認識をもっているのではないだろうか。 それでも安倍首相の時代は、一部で不満な政策もみられたが、まあまあまともな方向へ舵取りをしていると感じて見守ってきた。 ところが、岸田首相になって、この政権の弱腰姿勢、舵取りでは、中国やロシアが勘違いして軍事衝突をひき起こすかも知れないと心配し始めたのである。 そんな矢先にタイミング良く、日本保守党という自民党に喝を入れられる存在感のある保守政党があらわれ、応援を始めたと分析している。

もしこの読みが当たっていれば、SNSのエックスの25万以上のフォロワー達成だけでなく、党員募集でもかなりの人たちが参加すると予測しており、 百万部以上のベストセラー作家の経歴から判断して、おそらく数週間で20万人以上の党員が集まるのではないかと見ている。党員の会費が毎月5百円なので、 スタート時から月額1億円以上の資金が集まるビッグな政党に急成長するのではないだろうか。

日本保守党の立ち上げを契機としてSNSで自由民主党の組織腐敗に気づき始めた

日本保守党を応援する保守の人たちだけでなく、政治に関心がありSNSを駆使して活発に情報収集している人たちの間で、自民党が保守を装(よそお)いながら、 本当は民主党より過激なリベラル政党である事実を理解するようになってきた。公明との連立を言い訳にいつまで経っても憲法9条を改憲する気が無く、 中国へ配慮し続ける弱腰の親中融和外交を続け、米国民主党の言いなりに属国的な政治をおこなう政党、政権の本質がわかってきたのである。 さらに党の過去の歴史や伝統にこだわり、二世、三世の世襲議員が党内で幅を利かして大きな顔をする特権意識の強い政党体質もわかってきた。 さらにそうした世襲議員の中に先代の政治家が築き上げた政治利権を継承して、それを恥ずかしげもなく謳歌(おうか)する姿に辟易(へきえき)する思いを感じているのである。               

その自民党の組織腐敗に気づく契機となったのが、今年6月のLGBT法案であった。日本人の伝統、 国体を変える駄目な法律を米国に指図された岸田首相の一存で勝手に通す自民党幹部の醜い姿に失望したのである。 LGBTを契機に一事が万事で、過去振り返ってみると日本の国柄を変える移民促進など一般の人たちが求めもしない重要法案を国民との十分な議論もなく、 自民党主導で勝手に次々と通過させてきた事実にも関心を示すようになってきた。 そうした与党自民党の裏の顔を知り始めるとSNSユーザーを中心にいつか日本が日本でなくなる日もやって来るかも知れないと真面目に悩むようになり、 自民党に対して恐怖心すら抱き始めたのである。

その国民の心配をあざ笑うかのように自民党の女性議員たちが研修というフランス旅行にうつつを抜かし、 風力発電では、秋本議員による贈収賄事件が起こり、党幹部の組織的な闇の利権構造へも疑惑が強まっている。 極めつきは、岸田首相の腹心の部下で、影の総理と噂される木原誠二氏の文春砲による一連のスキャンダル報道であった。 その木原氏も今度の内閣改造で幹事長代理と政調会長代理を兼務し自民党の金と政策を一手に牛耳る重要ポストに就任している。 組閣外の人事で国民の目をごまかしながら、木原誠二氏の権力を強めるポストを用意する岸田首相の姑息なやり方にSNS上では批判が巻き起こっている。 文春砲が今後もさく裂し続ける予感もする。

自民党は供託金の仕組みを導入して新興の人気政党への参入障壁を築いてきた

11月に解散があり、衆議院議員の総選挙があると囁(ささや)かれている。ただ、どんなに日本保守党への人気が高まり、 SNSでの政治革命が進行しても、それで日本保守党が議席を簡単にとれるほど日本の選挙制度は甘くない。 衆議院の定数465人のうち、小選挙区で289人、比例代表で176人が選出される。小選挙区は、各選挙区で1人だけが当選する。 比例代表は全国を11ブロックに分け、有権者は支持する政党名を投票、各政党が獲得した票数に応じて当選者が割り振られる。 小選挙区で落選しても、ブロック毎の政党の獲得票数が多ければ、比例復活で当選できる仕組みとなっている。 新興の人気政党の場合、有名人はブロック毎の比例で出馬、知名度の低い小選挙区の候補者を比例兼務にして復活当選を目指すやり方をとることが多い。

資金力のない新興政党にとって、高額な供託金の制度が選挙参入の大きな障壁となってきた。 衆議院の場合、小選挙区は候補者一人当たり3百万円、比例単独の場合、候補者一人当たり6百万円、小選挙区を兼ねる場合は3百万円が必要となる。 獲得できる票数が少ないと国庫に没収されるので、政党としていくら人気があっても、資金力のない新興政党が次々と候補者を出せる状況にはなっていない。 OECD先進国の中で米国やドイツ、フランスなどは供託金の制度そのものが存在しない。 制度がある英国やカナダなどでも10数万円程度の供託金で立候補ができるようになっている。 つまり、日本だけが過去30年間ずっとこんな馬鹿高い供託金制度を続けてきたのである。

30年前の1992年に高額な供託金の仕組みを導入したのが、自民党宏池会出身の宮澤首相であった。 当時は、バブルが続き、売名行為や立候補者の乱立を防ぐという理由で導入された経緯があった。 供託金があまりに高額な設定なので、与党自民党の議席を脅かす人気のある新興政党がなかなか候補者を増やせない策略もあったのではないかとみている。 ある意味で自民党はこの高額な供託金で自分たちの政治利権を守り続けてきたと言える。過去30年を振り返ると最初の20年間はバブル崩壊を経験し、 日本経済がデフレ不況に陥り、多くの国民がどれだけ悲惨な思いをしたかは、今さら詳しく説明する必要もないであろう。 直近10年間は、アベノミクスのお陰で景気が上向き、経済もかなり持ち直してきたが、ここへきて岸田政権や自民党への不満や不信感が急速に高まる状況となっている。 過去30年で消費税は3%から10%まで引き上げられ、国民所得は伸びず、税負担は5割を超え、可処分所得は減り続け、貧困層は江戸時代の水飲み百姓以下とも酷評されてきた。

こうした惨状を憂い、保守系の参政党や日本保守党といった新興の政党が立ち上がったことで、 こうした政党を応援したいと希望する人たちも増えてきている。ただ、供託金の制約もあって、候補者を多く擁立できる状況には至っていない。 人気があった安倍首相の頃は、自民党に任せれば間違いない、大丈夫だという安心感があり、供託金が問題視されることは少なかった。 ところが、岸田首相となり、首を傾(かし)げることが増え、保守層が自民党から離れはじめ、参政党や日本保守党への応援へ切り替えたいと願う人が増えたため、 供託金問題に気づいたのである。そのため、供託金の制度を見直し、 選挙における国民の政治参加の権利を特権階級の富裕層から庶民の手に戻して欲しいと願う保守層が増えているのではないかと推察している。

日本保守党が国政に入れば高額供託金の選挙に守られた自民党を変える日が来る

日本国憲法第44条の国会に関する条項では「両議院の議員及びその選挙人の資格は、法律でこれを定める。 但し、人種、信条、性別、社会的身分、門地、教育、財産又は収入によって差別してはならない」としている。 日本の高額な供託金制度そのものが、国際基準に照らしても、突出して「財産又は収入によって差別」しており、憲法に違反する恐れが高いのである。 今までこの供託金の問題をマスコミが取り上げず、われわれ国民も関心が無く、知らなかった点については反省すべきであろう。

このまま自民党政権のもとで日本は衰退し続け、日本人は再び貧困化するかも知れないという懸念を抱き、 多くの国民が焦(あせ)り、慌(あわ)て、その時になって初めて、憲法違反の恐れのある高額供託金の制度の存在に気づいたのである。 丁度、ゆでガエルが冷たい風呂に入って飛び上がる時の状況に似ている。不人気な自民党と人気の日本保守党の存在が、国民の政治参加の自由を奪い、 富裕層しか参加できない不平等な供託金の仕組みを自民党がつくり上げた事実に気づいたと言える。 また「人種、信条、性別、社会的身分、門地、教育によって差別してはいけない」のであれば、立候補者の経歴や職歴、国籍取得の経緯なども差別せず隠さないことで、 正しく情報開示すべきであるが、実態はそうではない事例が多々あるとみている。

日本保守党に今後どれだけの党員が集まるのかが一つのバロメーターになるが、数週間の短期間で、 少なくとも20万以上の党員が集まるような様相であれば、まさに21世紀における下克上的な政治革命が日本で静かに進行するとみている。 もしそうであれば、日本保守党が日本人のためにとるべき政策の第一歩は、富裕層の富裕層による特権階級のための高額な供託金制度を全廃、 あるいは数万円レベルに減額して、国民の誰もが平等に選挙に立候補できる権利を取り戻すことではないかと考える。 今回の衆議院選挙で、日本保守党が国政に入ることが出来れば、まず憲法違反の是正の立場から、 高額供託金の選挙制度を見直す政策の推進を自民党へ働きかけるべきではないかと考える。 当然、自民党にとって、高額供託金は自分たちの利権を守ってきた大事な仕組みであり、 抵抗すると思うが、この仕組みを変えることができれば、自民党そのものも変えられる日がやってくると信じている。

※上記文章、PDFファイル、入手、ご希望の方はこちらをクリックしてください!

ページトップへ戻る